こんにちは!SFCインテンシブコースで英語と小論文のコーチをしている久保です。
今回は、小論文のためのニュースの活用法について解説していきます。
と聞いたことはあっても、小論文にニュースをどう活用して良いのか分からない人に向けて、おすすめの活用法を四つ紹介します。
この記事の目次
【1】背景知識として活用する
ニュースで得られた知識は、小論文を解くときの背景知識として活用できます。
背景知識があると
- 資料が読みやすくなる
- 答案を書くときの話題になる
という二つのメリットがあります。それぞれについて解説していきます。
資料が読みやすくなる
SFCで出題される問題は、いま社会で問題になっていることについて、その根本の原因は何なのか、またどう解決していけば良いのかを問う問題が多く出題されています。
例えば、
- 総合政策学部2021年は待機児童問題について
- 総合政策学部2020年は民主主義の後退について
- 総合政策学部2016年は格差について
このように、当時の社会問題を反映したテーマで出題され、資料の文章もテーマに合わせて提示されています。
資料に書かれているテーマについて、普段からニュースで触れていれば、格段に資料が読みやすくなります。
答案を書くときの話題になる
まずは下の問題を読んでみてください。
あなたがこの世の中で不条理だと感じていることを15個挙げてください。また、なぜそれらが不条理だと感じるのか、個々の不条理の内容と理由をそれぞれ簡潔に1文で記述してください。(環境情報学部2021年)
この年は珍しく資料がない年だったので、自力で「不条理だと感じていること」を15個書き出さなければなりません。
私は2021年に受験したので、この問題を見たとき、非常に驚いたことを覚えています。
そんなとき役立ったのが、普段見ていたニュースでした。最近見たニュースを書き出していくだけで、回答欄が埋まっていきました。
これほどニュースが役立つ問題は珍しいですが、書く内容に困ったときに、ニュースを話題にすれば回答できる問題は多いです。
【2】新聞の社説を活用する
「【1】背景知識として活用する」は、どのニュースでも当てはまることでしたが、これからは特定の記事に絞って、小論文で活用できるコンテンツをご紹介していきます。
一つ目は、新聞の社説です。
社説と一般的なニュースは、次のような違いがあります。
- 一般的なニュース→出来事を客観的に、中立的に報道することが基本
- 社説→ニュースに対する社としての主張を発表
社説は主張が主なので、一般的なニュースのように客観的に、中立的に報道する必要はありません。
主張を文章にしているという意味では、新聞社の書いた小論文とも言えます。
社説の活用法
社説は以下の二つの点で活用すると良いと思います!
- 文章の表現を参考にする
- どのように読み手を説得しているのか、根拠の使い方に注目する
社説は、新聞社のベテラン記者、つまりプロが書いた文章です。
その表現は、小論文を書くときにも参考になるものが多いです。
さらに、上にも書いたように、社説は社としての主張をまとめているもので、そう考えている根拠も、わかりやすく書かれています。
文章のプロは、どのように読み手を説得しているのか。根拠の使い方は非常に参考になります。
【3】ネットニュースの見出しを活用する
ネットニュースの見出しを活用する、を説明する前に、まずは下の過去問を読んでみてください。
資料をよく読んだうえで、【A】〜【H】それぞれの文章について、その発明や創造の内容と、それが社会に与えた影響を表現する、わかりやすいタイトルと魅力的なサブタイトルをつけてください。(環境情報学部2015年)
「わかりやすい」タイトル、「魅力的な」サブタイトルを考えるのは、難しそうですね。
そもそも、一言で読み手を惹きつける「魅力的な」言葉とは何なのか、、
なかなか難しいですが、実は「わかりやすくて」「魅力的な」タイトルをつける力は、SFC小論文で高得点を獲得するために必須のスキルです。
今回のように、直接「タイトルをつけなさい」と問われることもあれば、
原稿用紙ではなく白紙が与えられて、自由な形式で回答しなさい。図や表を用いても構いません。
と書かれていて、自分でタイトルや見出しをつけて目立たせることのできる問題もあります。
採点官は非常に多くの答案を短期間で採点するので、「魅力的な」見出しをつけて目立たせるのは効果的です。
ネットニュースの見出しの活用法
魅力的な見出しをつけるときに参考になるのが、ネットニュースの見出しです。
ネットニュースは、ネット上に溢れる記事のなかから、クリックしてもらう必要があるので、見出しが工夫されています。
普段は本文を読んで、見出しを気に留めることはないと思いますが、自分がついクリックしてしまった記事に付けられていた見出しは、ぜひ確認してみてください。
きっと小論文で自分がタイトルや見出しをつけるときの参考になるはずです!
ついクリックしてしまった記事の見出しを確認しておく
【4】紙の新聞記事を活用する
この記事をご覧の受験生のなかで、紙の新聞を購読して読んでいる人は少ないのではないでしょうか。
もちろんネットニュースは気軽に読めて便利ですが、小論文対策のために、たまには紙の新聞を読んでみることをおすすめします。
なぜ紙の新聞なのか
紙の新聞を読むメリットは、
一覧性があるから、興味のない記事も目に入る
ことです。
普段ネットやSNSからニュースに接している人は、自分の興味のある記事を選んで読んでいると思います。
そして、SNSのアルゴリズムによって、自分の興味のある記事が「おすすめ」として表示されるので、興味のない記事が目に入らなくなっていることも少なくありません。
そうすると、効率的にニュースをチェックできますが、自分の興味の外にある話題が小論文のテーマになったとき、せっかくニュースを見ていたのに役に立たなかった、となりかねません。
そうならないためにおすすめなのが、紙の新聞を読むこと。紙の新聞は、自分の興味のある記事もない記事も、同じ紙面に載っているので、興味のない記事も目に入ります。
紙の新聞を読むことで、自分の興味のない話題にも触れることができる
まとめ
今回は四つのニュースの活用法についてお伝えしました。
ニュースが小論文を解くための背景知識になることは知っていても、新聞や社説やネットニュースの見出し、紙の新聞が活用できるというのは初耳だった人がほとんどだと思います。
何か興味を持ったものがあれば、ぜひ一つでも試してみてください。
特に新聞の社説は、ネットで無料公開されているので、気軽に読めます。
では、ありがとうございました!