慶應SFCでの大学生活

コーチ対談企画! SFCの研究会について

慶應SFCインテンシブコース

はじめに

久保:今回は、研究会というテーマで、コーチ四名で対談を行っていこうと思います。最初に研究会が何かわからない人もいると思うので、軽く研究会について説明できればと思います。まず、研究会は、SFCのほぼ全員が入っているもので、それぞれSFCの教授がそれぞれ自分の研究テーマに沿った研究会というものを持っています。そこで自分の研究したいテーマに沿った研究会にSFC生は入っていて、そこで日々自分の研究を進めています。ではまず、今回対談に参加されるコーチに自己紹介をお願いしたいと思うんですけど、まず自分からお話ししたいと思います。私は久保と申します。私はまだ研究会に所属していなくて、最初は建築をやろうかなと思ってSFCに入ってきたんですけど、やっぱり違うなと思うところがあったりして、今はSFCならではの色々な分野を勉強して、そろそろ自分の研究したいテーマを本格的に決めて、研究会に入ろうかなと思っているところです。では次にいりすさん、お願いできれば。

いりす:私はコーチングはやっていないのですけど、小論文のトリセツの運営スタッフのいりすと言います。私はSFCを卒業していて、今は大学院にいます。もうSFCに五年いるんですけど、最初はドイツ語とメディア系の藁谷先生という人の研究会にいて、その後ドイツ語ができるドイツ人の先生のマイヤー研というところにいて、二つとも辞めて、今は文学とか芸術・思想についてできる國枝孝弘先生というところの研究会にいて、そこで卒論を書いて、修士もやっています。よろしくお願いします。

久保:よろしくお願いします。では次、ひろけんさんお願いします。

ひろけん:コーチのひろけんです。数学と小論文、基本全教科担当しています。研究会は中室研という計量経済学に関する研究会に入っていて、計量経済学と言っても何をやっているのかわからないと思うんですけど、その中で僕は教育とデータに関することを研究しています。お願いします。

久保:お願いします。では最後にカイさんお願いします。

カイ:カイと申します。総合政策学部の二年生です。担当科目は小論文と英語なんですけど、現在、僕が一年生の秋くらいに井庭崇研究会という教育とか創造性、あとそれにまつわる哲学とかを研究している研究会に入っていて、二年生の春から諏訪正樹研究会という認知科学の研究会に入っています。

それぞれの研究について

久保:よろしくお願いします。次に自分がどのような研究をしているのか、教えてもらいたいのですけど、いりすさん、どうでしょうか。

いりす:一言で言うのはすごく難しいのですけど、例えば学部生の時にやったことで言うと、現実の世界で「私は幽霊が見えるんですよ」と言っていた人がいれば、その人は病院行ったほうがいいんじゃない、と言われたりして、そう言う人が病院に行くと、あなたはなんとか病ですねとか、うつ病ですねとか、統合失調症ですねとかになって、お薬をもらうと思うんですけど、私は文学作品とかの分析とか研究をしていて、文学作品の中では「私幽霊が見えるんですよね」とか言う人、現実世界では明らかに病的なところがあるなっていう人が、病人としてではなくて、その人の個性、その人の特徴として扱われる、つまりその人に病名がつかないことに文学作品、フィクション作品の意義があるんじゃないかという研究をやっていました。

久保:はい、では次にひろけんさん、お願いします。

ひろけん:はい、僕はいりすさんとは毛色が違うというか、全然違う研究をしていて、僕は因果推論というところで、データをもとに相関関係ではなくて、因果関係を突き止めるということをしていて、実際、中室研では半年ごとに研究テーマが変わっていくんですけど、僕が今季やったテーマは、GIGAスクール構想っていう政策で、子供たちに今パソコン一台という感じで小中学校にパソコンが配布されているんですけど、果たして生徒にPCを与えたときに、学力であったりとか、学習時間であったりとか、学習意欲とかそう言ったものがどう変化したのか、ということを研究していて、論文も書いたんですけど、僕は思ったような結果が得られなかったので、今後も教育に関する政策をデータで見ていくという研究は、今後も続けていこうかなと思っています。

久保:はい、では最後にカイさん、お願いします。

カイ:僕の研究会はお二人とは違って、三年生くらいまでは、研究会の全体のグループワークみたいな感じで、ある種ワークショップ的なやり方で進んでいって、四年生に卒論・卒プロというスタイルで、個人研究みたいに進んでいくので、僕はまだ個人研究をしていなくて。まずグループ全体で何をやるのかというところから話していくと、今学期は「文体練習」という本があるんですけど、レーモン・クノーという人が書いている。その本には同じ内容のことを、小説の一部のような同じ内容の情景描写を99個の文体で書き表すという特殊な本で、僕らは文体に触れるということが、目と頭と文章というそこだけの関係ではなくて、自分の身体を持ってそれに触れていて、色々なところで読んだりして、読む場所と自分とそのテクスト、その文面自体との関わりがどういう条件で、どのように変化したり、ある特定の文体と別の文体に触れた時、比較して自分の頭に想起されたりとか、自分がどういう体感になったりとかの変化を一つの学びとして捉えて、今までの諏訪研で認知科学の理論と照らし合わせながら解明していくという、解明するというよりは模索していくという言い方の方が近いと思うんですけど、そういう一学期でしたね。そして個人研究だと、割と体育会系の人が多くて、陸上だったら、コツとスランプという言い方をするんですけど、うまく走れるようになるコツっていうのが生まれる時と、スランプに陥っちゃう関係を、自分の走っている時の体感だったりとか、自分の一人称の記述、簡単にいうと日記みたいなもので、記述に現れていく動詞みたいな変化だったりとか、それを記述する言葉の変化だったり、コーディング、ラベル、いわば種類分けしていくことを通してその変化を探っていくというような研究が多いですね。

研究会に入った理由

久保:はい、ありがとうございます。では早速対談の方を始めていきたいと思います。まずなぜ今の研究会に入ったのかというのを、3人のコーチにお聞きしていければなと思います。まずいりすさんお願いします。

いりす:はい、私が一番SFCにいるのが長いんですけど、元々私はAO入試で入って、AO入試の時にアピールしたポイントというのが、高校でドイツ語をやっていたってことなんですね。なので、絶対ドイツ語がやれる研究会に最初入りたいと思っていて、ドイツ語やれる研究会となるとSFCに三つしかなくて、それでも多い方なんですけど、まあその中で藁谷郁美先生のところに最初に入ったっていうのが最初で、ドイツ人の先生であるマイアー先生はドイツ語での研究会で全部授業とかもドイツ語だからドイツ語の練習をしたいなと思って入って、途中で國枝孝弘先生って全然違う先生のところに移ったんですけど、なぜかっていうと藁谷研究会でやっていることとかマイアー研でやってたことと違うことが本当にやりたいと思って、行き詰ったっていうのと、藁谷先生の研究会が40人ぐらいいて私は大学院に行きたいと思ってたから、もうちょっと少人数で厳しくやってほしいなみたいなのがあって、それで変えて、今定着してるって感じです。

ひろけん:分かりますね結構研究会によってすごく厳しいところもあれば結構ゆるい感じでやっているところもあるみたいなのが、結構SFCあるあるなのかなっていうふうに思いますね。

カイ: あとあれですよね、人数って結構大事で、人数が多いところと少ないところだと、ある種少数精鋭的な教育がなされているところと、もっとグループワークが主体の和気あいあいとした研究会とか。人数は結構一つの基準じゃないけど、よく見られる部分があります。

久保:研究会に入っていない私から見て、結構研究会に入るってハードルが高そうなイメージがあったんですけど、そうやって途中で研究変えるっていうこともできるって聞くと、ちょっと研究会に入るハードルが低くなったような気がします。では次、カイさんどうですかね。

カイ:僕はさっきのひろけんの話で言うと、入学当初だとひろけんに近かった可能性があって、というのも最初に一番最初に行ったときはヘルスケアとか、ベンチャーとかSFCっぽい用語のある研究会に入ろうみたいな感じで意気込んでいたんですけど。健康とか、起業とかそういうSFCっぽい営み以外に、そもそも僕らって生きてるみたいなところに興味が出てて、その文脈と関係なしに現象学っていう哲学の分野があって、そこに触れた時にこう生きるっていうことってこういうことなんだみたいな、色々自分の衝撃が走って、それでそれに関わる研究会がいいなと思って、でそれでとりわけシラバスに現象学について触れられていたのが一番最初に行った井庭研もそうで、今入っている諏訪研究会もそうなんですけど、諏訪正樹研究会に入った理由としては、その先生自身が、自分が好きな野球とか、あとはその他にもいろいろ自分が生きるっていう過程の中で一つ「学ぶ」っていうことが重要なタームになっていて、その学ぶことと生きることってどうやって関わっているんだろうとか、それをやっている私っていう主体はどういう風に感じられているんだろう、変化していくんだろうみたいなのをすごい事細かに研究されている方で、さっきのひろけんの中室研究会みたいな、いわゆる教育政策みたいな教育っていうよりも、僕らは本当にその学校とかそういう一つのシステムの中っていうよりも、そもそも人間として学ぶみたいな、そういう領域に現象学だったりとか、ほかの認知科学の知識だったりとかを使いながら、実際に自分たちも学ぶ中で研究していくっていうものに私は関心があったので入りましたって感じです。

ひろけん:そうですね。確かに僕とか結構めちゃめちゃアカデミックな領域なんですけれども、そうじゃなくて、これって研究なのみたいなものもけっこうSFCには多いのかなっていうふうに思っていて、それこそアートとかの研究とかやってる人もいて、それってどう研究になるんだろうみたいなそういうのも多いのは結構SFCの面白いとこなのかなって思います。

カイ:卒論じゃなくて卒プロって書いてあるのも、実際アカデミックに論文を書いて卒業するだけじゃなくて、例えばアート系だったら一つの作品を提出したりとか、そういうアカデミック以外の領域でも何かしら制作物を作って、研究会に取り組めるっていうのは、たぶんSFCで固有のシステムというか、学びのあり方だと思うんで、そこは私はすごい好きです。

久保:自分の興味のあることを追いかけていっても、ちゃんと大学生として成立しているっていうのがSFCのすごい良さなのかなって思いました。

自分の興味の見つけ方

久保:はい。じゃあここで話を変えていきたいと思うんですけど、この対談動画を見てくれている受講生の方ってやっぱりまだ研究会に入っていない人とか、自分の興味のあることを見つけられていない人とか絞りきれていない人、私も含めてですけど。そういう人たちが多いと思うんですけど、そういう人たちに対して、研究会に入っている三人からアドバイスみたいなことをもらえればなと思うんですけど。まず、自分の興味のあることがいっぱいあるけど、どれをやっていいのか絞りきれない、そういう人に向かってアドバイスをお願いできればなと思うんですけど。

ひろけん:それはまあ、あれなんじゃないですか。全部やってみたらいいんじゃないですか。SFC複数の研究分野を組み合わせたところにイノベーションが生まれるよみたいなことをすごく大事にしていて、なんか結構みんないろんな研究会に所属したりとか、例えば僕だったら教育とデータみたいな複数テーマで研究をしてその掛け合わせた領域でなんか面白いものを作っていくっていうのは、もう本当にSFCにおいては大事なことなので、全部やってみたらいいんじゃないですか。

久保:どれかに絞ろうとしてしまうって考える人が多いと思うんですけど、SFCは興味のあることをまとめて自分の研究分野をつくっていけるっていうのが結構他の大学と違うことなのかなと思いました。あとは、自分の興味のあることがそもそも見つかっていない、まったくわからないっていう人も多いと思うんですけど、そういう人たちに対してアドバイス、、カイさんお願いできますか。

カイ:「僕はこうだったよ」という話なんですけど、高校の先生の言葉で「興味がない」っていう人に対して、自分の敵をさがせっていう言葉があって、自分のちょっとした生きづらさだったりとか学問になるかはわからないけどなんか生きづらいな、これやだなていう、なんの抑圧もなしに生きていける人間てまあ少ないと思うんですけど、そうした些細なことっていうのは案外拡大してみれば、社会構造の問題だったりとか社会学の問題だったりとか、それから、もっというと政策だったりとかマクロの問題と紐づいていたりとかするんで、そういう日常生活で出会う些細な生きづらさだったりとか、それをいわば敵って言っていたんですけどその先生は、それをいわばじっと一人の時間だったりとか、本屋さんとかでいろんな本に触れたりとか、そういう中で認識していく、気づいていくっていう過程で自分なりの問いが育っていく、見えてくる、見晴らしが良くなっていくんじゃないかなっていう気がしますね。

ひろけん:それはなんか我々がやっているコーチングの手法とかでもありますよね。やりたいことが見つからない人にはどうなりたくないかをきけば、どうなりたいかが見えてくるみたいな、そういうのもあったりするんでそれはそうなのかなってすごく思いますね。あと結構僕が大事にしているのが、好きと得意があるかなっていうふうに思っていて。SFC二つ掛け合わせるっていったと思うんですけど、得意なことって多分ないなら探してくださいって感じなんですけど、そんなに頑張んなくても他の人よりちょっとできてることって誰しも何かしらあったりすると思って、多分そこが得意なんですよ。それはなんかちょっと絵が上手いとか、ちょっと手先が器用とか、ちょっと英語覚えるのが早かったとかそういうのでいいんですけど。ちょっと得意なところと自分の好きなところ、好きなところの探し方は、もう結構ほんとにいろんなものに触れる、SFCの授業受けるでもいいし、ひとつのものに囚われずとにかくいろんなものに手当たり次第にあたってみるみたいな感じでやってくと見つかる気がして、この好きと得意を掛け合わせていくっていうのが、すごくやりたいことを見つけるっていう上で大事なのかなって僕は思いましたね。

久保:いりすさんどうでしょうか。

いりす:でも今の二人の話で結構答えは出てるような気がして、私もそうやっていったなと思って。自分の研究を始めたのも元々まわりの環境に対する不安とか怒りとか悲しかったこととか、なんでこうなんだろうって考えた時に、社会にはこういう問題があってとか、そういうふうになっていったところからはじまったし。あとSFCでは他のことをかけ合わせるというのが大事だとされているんですけど、私の場合は、ドイツ語っていうのがあってそれが得意なことだったんですよね。で、好きなことはまたちょっとそれとは別で文学とか、哲学っていうことで、ちょっと微妙に違ったんですよね。で、そういうことが違っても多いって大事だと思って、数が多ければ多いほど、それこそ自分のキャリアとか就職とか、大学院に進むとかそういうことを考えた時に、全部捨てることなく伸ばせると思うから、そういうことをいろんな経験を通じて増やしていくことが大事かなと思います。

研究会の雰囲気

久保:はいじゃあ次に研究会の雰囲気についてお聞きしていきたいと思います。やっぱり今の動画を見てくれている受講生の方って、研究会って説明は聞いたけどどんな雰囲気は全くわからないところだと思うので、それを今研究会に入っている三人にお聞きしてイメージを膨らませて貰えばなというふうに思います。いりすさんの入っている研究会ってどういった雰囲気ですか。

いりす:はい。最初に一、二年生のとき藁谷先生のところに入っていてマイヤー先生のところはドイツ語だから一般化できないかなと思うんですけど、そのあと國枝研にうつって、藁谷研と國枝研って分野は似ているけど、全然対照的だと思うんですね。藁谷研は、40人くらいで小学校のクラスみたいな感じ。で、研究に対するモチベーションが高くて大学院に進学する人もいれば、卒業だけできればいいかなっていう感じで部活とかサークルとか就活とかをメインでやっている人もいて。ものすごいわちゃわちゃしている感じだった。それこそ公立の中学みたいな感じ。で、あと面白かったのは、文系の言語系だったから、帰国子女のひととか留学生とかそういう人たちがいていろんな言語が教室から聞こえてくる。中国語、韓国語とか、タイ語とか英語でバーって喋っている人たちがいるのが藁谷研。國枝研はMAX15人しかいないんですね。お互い名前とかも知っていて、結構真面目に研究をやるっていうか、単位だけ取れればいいかなってよりは。まず先生が結構人気な人だから先生大好きな人が結構多くて、それこそ深夜までみんなで集まって電話して喋ったりとか、コロナがおちつたときには飲みに行ったりとか、結構夜まで語るとかそういうなんだろう、深くて狭い付き合い。先生はすごい優しい方だけど、研究に対しては厳しい。パパとチルドレンみたいな感じです。

ひろけん:確かにな。結構その雰囲気わかります。

いりす:中室研はどうなんですか。

ひろけん:部活です。二週間にいっぺん、研究会のメンバーを二つにわけて、二週間に一回それぞれの発表の番が来るんですけど、もう本当に「今週も耐え切ったぞよっしゃー」みたいな、みんなで徹夜で一緒に作業しながら別のことやっているんですけど、「どこまで進んだ?」「まだスライド入っていないんだよね」みたいなことを言いながら、「今週も耐え切ったぞわー」みたいな感じでやってます。部活ですね。

いりす:それってなんか、長期で続く人っているんですか。

ひろけん:でもなんだかんだみんな好きでやっている人が多いんで。

久保:カイさんとひろけんさんの研究会が結構対照的だって話があったんですけど、カイさんの研究会の雰囲気でどうですかね。

カイ:部活とか、パパとチルドレンみたいな言い方でいうと、家族っぽさは割と近い。だから國枝研に割と近いとは思うんですけど。ただその全体でその時間内にグループワークでしてから個人で考察みたいなのを書いたりとかするんですけど、基本的にはそれぞれ、身体の研究会なので身体とかそういうところに関心のある人がどんどん問いを出し合っていくという意味では、自由だし、コミュニティとしてはかっちりと定まっていないからこそ、他のお二人とは結構違うかな。ただ、その一個言えるのは、とはいいつつも、全員がやる気がないっていうのは全くなくて、それぞれが気ままに暮らしてるみたいな、研究会自体に取り組むというスタンスについては真面目。それはどの研究会にも言えると思うんですけど。比較的、僕らの場合は家族っぽさもあるけど家族ほど強固でもないから、クラスみたいな感じですかね。

ひろけん:お二人に一個聞きたいんですけど、それで研究会のメンバーで、研究会とはまた別どっか遊びに行ったりとか、そういうことってよくしてますか?

いりす:全員とか大人数ではないけど2-3人はあるかもしれない。

ひろけん:確かにね。うちとかだと最終発表の後に飲みに行ったりとか、そういうこととかあるんですけど。

いりす:あとやっぱり輪読会とかやってる人は結構いて、何人かで集まって、zoomとか家とかに集まって輪読をしてるっていう人はよく聞きますね。

ひろけん:僕の友達だと、SFCの研究会特プロていうのがあって、春学期秋学期以外の夏休みとか春休みの期間中も、特別プロジェクトっていって研究会を行える期間があって、例えば僕の友達とかだと、その特プロの期間で研究会みんなで合宿に行って、みんなでバーベキューやってみたいなそんな感じで楽しくやっているところとかもあっていいなと思いながら。

いりす:藁谷研もそれやって、先生とみんなでお風呂に入ったとか。大学ならではというか。結構気まずかったよね。楽しかったこと。

カイ:前いた井庭研とかだと研究会終わった後ほぼ毎回ご飯に行ったりとかしてたんですけど、諏訪研はまだ一回もご飯にいったことないほどつながりがない。そこが唯一の不満ですね(笑)。僕は大学院生のMTGとかにも出てるんですけど、それは結構夏休みとかも何回か行っているんで、ご飯はいったことないんでねそれでも。研究会のつながりの強固さでいうと、重さとかと比例すると思います。研究会自体がその人の学生生活のなかでそんなに重くないと、そこのつながりもそこまで重くなりづらくなるのかなという予感はしてます。今なお前の井庭研の人たちの方がよく遊びますしそれは言えると思います。

久保:研究会以外でのつながりも結構研究会によって雰囲気の特色が違ったりするんですね。

進路について

次に将来とかそういうことについてお聞きしたいんですけど、やっぱり研究会は大学で終わってその次の将来とかそういうことについても興味のある人とか多いと思うんですけど、研究会がどういうふうに将来につながっていくのか。そういうことについてお聞きしたいかなと思って。

ひろけん:結構中室研の一個鍵になっているのがデータで、やっぱりどこの研究会もそうだと思うんですけど、うちとか結構アカデミックな領域なのでそこから修士目指して大学院どっか受けるよって人は結構います。大学院受けるよって人以外だと、データ分析系のエンジニアだったりとか、データアナリストとかコンサルタントとかそういった方向に行く人が多いのかなっていうイメージはありますけど。結構そのデータができるっていうだけで今就職の幅とかは広いので結構いろんなところ行く人が多いですかねっていうイメージです。僕自身もデータを使ったお仕事を将来していきたいなっていうところはあるので。そんな感じですかね。逆に僕が聞きたいのはそのまま修士に進んだいりすさんなんですけど、さらにそのあとどうするのか、どういうふうに繋げるのかとか聞きたいです。

いりす:まじでそれは私もわからなくて。ていうのも、なんかなんとなくだけど100%は言えないけど、博士課程に行きたいと思っているんですね。で、文系の博士ってやばいみたいに言われて、でもわりと私の周りでは文系で博士号とったりとか、あとは企業に勤めなくても大学の講師をやったり、本を書いたり講演をやったりして生きている方が多いのでなんとかなるっしょって私が思ってるのが一個で、あと國枝研に多いのは普通に就職する方もいて、もちろんなんかコンサルとか、いろんな業界に就職する方が多いんですけど、アーティストが多い。作家になって賞を取られる方とか、ミュージシャンとか映画監督とかそういう方も多いですね。私はなんか文系の修士博士っていう就職の保証がないところに行きたいと思っているので、自分の研究とは別に資格をとる勉強をしています。

ひろけん:なるほどな。カイさんとか逆に、自分の生活に根付いた研究をしている人っていうのが今後どういったキャリアにつながってくるのかっていうのは気になりますね。

カイ:僕もたぶんいりすさんよりの、「わからん!」がデカイんですけど、いくつか言えるとするならば、、でも諏訪研は「生活」って言いましたけど、空間のたたずみとか空間デザインとか環境と身体とかある種人間行動に関してする分野とかもやってる方もいるので、そう意味ではインテリアデザインには行かないんですけど、デザインに近い領域に就職する方とかは多い印象ですね。割と皆さん生活とか生きるっていう領域に興味があるので、地方に行ってこじんまりとした生活に根ざしてそうなちっちゃい企業に就職するとかも聞いたことありますし。あと大学院に行く方も結構いらして。僕自身でいうと、僕は結構、諏訪研という軽めの研究会でも僕は割と学問好きの人間なので、大学院に行きたいな、あとは大学院に行ってから決めよう、くらいのかるさでいます。なのでいりすさんの後を追うっていう。

いりす:保証はできない。補償はできないけどそういう人も結構いるっちゃいますね。

カイ:なんとかなると思います、っていう気分でいます。さっき言いましたけど、僕とかいりすさんって自分にとっての問いみたいなものを抱えて研究されていると思うんですけど、そういう意味で言うと、それを大学で終わりにしたくない欲望っていうのが結構大学院に行く方は多いと思っていて。それはもちろん研究という仕方でしか追求できないわけではなくて、もちろん別の自分なりに起業する方もいたり、アーティストもそうですけど、いろんなあり方に変わって自分の問いを追求することはあると思うんですけど、僕もそういう人でありたいっていう欲望があるので。

受験生にひとこと

久保:はい。ありがとうございました。今日は研究会というテーマで、研究会に入っていない私と研究会に入っている三人で対談を行ってきました。では最後に、これをみてくれている受験生の方に向けて、お話を一言頂ければなと思うんですけど。いりすさんお願いできますか。

いりす:はい。受験生の方に伝えたいのは、今はもしかしたらSFCに入りたいとか大学に合格したいという気持ちで目の前のことで精一杯だと思うんですけど、人生って大学に入ってからより大学に出てからの方が長いんですよね。なのでSFCに合格することをゴールにするんじゃなくて、合格とかSFCに入ることって通過点でしかないから、SFCに入った後にどうするのかとか、SFCを卒業した後に何がしたいのかっていうのを考えて、そこから逆算して受験勉強してほしいなと思っています。ぜひこれからも頑張ってください。

久保:はい。ありがとうございます。では次にひろけんさんお願いします。

ひろけん:はい。SFCの入試の話なんですけど、小論文においてもAOにおいてもやっぱりSFCに来てあなた何やるのってしょっちゅう聞かれるんですよ。やっぱり僕もいろんな生徒教えてきた中で、自分でSFC入ってからこれやりたいっていうのがある生徒とない生徒でやっぱり小論文の難易度とかも結構違ってくるんですよ、書き方とかも。なので、これはもう受験の対策としてもSFCで自分は何をしたいのか。具体的に決めなくてもいいんですけど、こういったところに興味があるとか、こういった問題意識があるとか、そういったところを自分のなかで持っておく、洗い出しておくというのは、すごく大事な作業なのかなと思います。なので、この動画見て大学生になったらこんなことやるんだふーんじゃなくて、自分に置き換えて自分はどういうところに興味があるんだろう、どういうふうなことをしていこうみたいなことを考えて、ちょっと研究会調べてみるなり、そういったところにつながってくるようなアクションはぜひ起こして欲しいのかなってぜひ思います。

カイ:さっきのひろけんさんのにつなげていうなら、どうやって自分の興味に触れよう、見つけようみたいなの具体的な、僕のやってたことにしかならないんですけど、ひとつは、「SFC 教員」ってグーグルで調べて、そうすると教員一覧っていうのが出てくると思うんですけど、そこに教員一覧ってところを押すと、その下にそれぞれのいろんな先生方の専門分野が書いてあるので、その専門分野を逆にもう一回コピペしてグーグルで検索してっていうことをちまちまやっていると、なんかこれはちょっと面白そう、これは自分に合わないなみたいなのが自ずと見つかってくる、みたいなのは僕は受験生の頃ちまちまやってたことですね。あとは、書店に行って、経済とか社会とか環境みたいな札がいっぱいあると思うんですけど、札というか棚が。その棚で勉強の休憩がてらにパラパラめくったりして同じようなことしてみるのもまたひとつ自分のお気に入りの学問に出会う方法として、そういうのがあると私は思いますので、ぜひやってみてください。

久保:最後にさっきひろけんさんがお話してくださったように、最近は小論文でSFCに入ってから何をやりたいかっていうのがすごく聞かれていて、その出題される頻度っていうのも近年どんどん多くなってきているので、SFCを受験してくれる人は、一般受験でも、AO入試でなくても、何をやりたいかを明確にした上で入ってほしいんですね。その上でSFCの勉強の軸になる研究会っていうものを軸に、何をやりたいのかっていうのを動画を見ながら考えてもらえればなと思います。今日は動画を視聴してくださりありがとうございました。

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ABOUT ME
カイ
2021年に慶應義塾大学総合政策学部に英語・小論文受験で合格・入学したカイです。現在は、哲学対話や身体にまつわる学びを楽しんでいます。進学校出身ではないからこその等身大のアドバイスを心がけて、みなさまの合格を応援いたします。

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