みなさんこんにちは! 慶應義塾大学SFC大学院生のいりすです。
早速ですが、みなさんはSFCでの授業というとどんなイメージを持っていますか?
「授業でドローンが飛んでいる!」
「プログラミングやAIの授業が有名」
「起業についての授業を受けてみたいな」
きっとこのような、最先端のテクノロジーやビジネスに関する授業のイメージがあるかもしれません。
しかしそれだけではありません。
実はSFCでは、言語系の大学ではないにも関わらず11種類もの外国語を学べるって知っていましたか?
今日は、言語系研究室の学生アシスタントを経験している私の視点から「S F Cで学べる外国語」についてお話しします!
この記事の目次
SFCで学べる言語
SFCでは、3年生に進級するために外国語の授業を英語なら1学期(1年の半分)以上、英語以外なら2学期(1年間)以上履修しなければなりません。
選べる言語はなんと11種類!!
英語、朝鮮語、中国語、マレー・インドネシア語、アラビア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、そして日本語です(日本語は留学生や帰国生限定)。
また単位には認定されませんが、ロシア語とイタリア語も学ぶことができます。
このほかにも例えばアイヌ語やバスク語など、さまざまな言語について研究している先生方や学生たちがいます。
みなさんは入学したらどの言語を学んでみたいですか?ワクワクしますよね!
複数の言語を同時に履修することもでき、上達したら留学にチャレンジすることもできます。私も2年生でドイツに1ヶ月間留学し、とても楽しい時間を過ごしました!
SFCの多言語主義とは?
それではなぜ、S F Cは文系専門のキャンパスではないのにこんなにも多くの外国語の選択肢があるのでしょうか?
その背景には、SFCが掲げている「多言語主義」があります。
多言語主義とは、英語や日本語だけでなく、世界中のあらゆる言語を平等に扱おうという考え方です。
従来、日本における外国語教育の場では、英語を学ぶことが最も大事であり、その他の言語は優先順位が低いという「英語偏重主義」がとられてきました。
2021年のデータによると、英語の話者人口は17.5億人、世界人口の約20%だと言われています。
確かにみなさんが大学に入学してから読むことになる論文も英語で書かれたものが多く、基礎的な英語の能力を身につけることはとても大事なように思えます。
国内最難関と言われるSFCの入試を突破するべく勉強しているみなさんであれば、確実に論文やニュースなどを読むための英語能力は身につくようになるはずです。
それでは次のステップとして、英語以外の言語を学ぶことの意義に目を向けてみましょう。
新しい言語を学ぶメリットは?
新しい言語を身につけるメリットは、「窓の数が増える」ことに喩えられます。これはどういうことでしょうか?
例えば家の中から外の世界を見たいとき、窓の数が多ければ多いほど外の景色がいろんな角度から、はっきり見えるようになりますよね。
それと同じで、新しい言語や文化について学ぶと、世界を多角的な視点から見るための「窓」の数が増えるようになります。
自分の母語(第一言語)しか知らない状態だと、世界を見るための窓は1つしかありません。しかし第二言語、第三言語を身につけるたびに、世界を見つめる窓の数がどんどん増え、新しい文化や価値観、宗教や考え方の観点から世界中のできごとを捉えることができるようになります。
例えばみなさんが国際政治について学ぶとき、Aという国の新聞や報道ばかり読んでいたら、そのできごとが他国でどのように報道されているのか分かりません。もしかしたらAという国のニュースはすべてプロパガンダで、BやCという国ではまったく違う事実が連日報道されているかもしれません。
もしかしたらスポーツの場面でも、試合に勝った国と負けた国の新聞やニュースを比較してみると面白いかもしれないですね。こうした研究はSFCでもさかんに行われています。
このように、ある一つの物事について学んだり情報を得たりするときには、さまざまな言語や文化、価値観を持つ人々の考え方や意見を比較し検討することが大切になってきます。
そのとき自分の母語(第一言語)だけでなく、第二言語や第三、第四言語でもたくさんの情報を収集できたほうが理解が深まりますよね。
このようにSFCでは、多様性に満ちた世界をさまざまな視点から見つめるために、英語だけが重要なのではなく、他の言語にも等しく価値があるという「多言語主義」の姿勢がとられています。
これは入学試験の方法にも如実に表れています。実は、SFCの一般入試は英語のほかにドイツ語とフランス語で受験することもできます。
高校まででドイツ語やフランス語を学習したことのある方は、ぜひこれらの言語での受験も検討してみてくださいね!
大学で外国語を学ぶ意義とは
「大学では英語だけでも大変なのに、ほかの言語も学ばなきゃいけないの?!できるのかな・・・?」と思っても大丈夫。
初級者の外国語クラスでは、文字の読み方、書き方からあいさつ、自己紹介など基礎的な部分をじっくり、友達と楽しく学びます。
特に入学してすぐの1学期間はクラス単位で授業を受けるので、友達とも毎日会えて交流を深めることができます。
テストなどで不安があっても大丈夫。言語研究室の先輩や、先生方が助けてくれます。
また、外国語を学ぶときにはモチベーションや目標が大事になります。
「好きなアニメの聖地巡礼をしたい!」
「推しているアイドルの曲を歌えるようになりたい!」
「ドラマを字幕なしで見たい!」
「スポーツ観戦が好き!」
「海外旅行をして友達が欲しい!」
SFCで外国語を学んでいる先輩のほとんどが、このように自分の趣味や興味・関心をモチベーションにして勉強を頑張っています。
根気よく勉強を続ければ、卒業までにその言語の新聞やニュースがわかるようになる人が多いです。また、その経験は就職活動やその後の人生においても高く評価されるようになります。
「自分に外国語は必要ないし・・・」と思ったら
また、私は「自分のしたい研究や就きたい職業に外国語は必要ないし・・・」と思っているみなさんにこそSFCで外国語を勉強してみてほしいと願っています。
理由は主に2つ。
1つ目は、大学で英語以外の外国語を学んだ経験は就職や転職の際にとても高く評価されるからです。外国語を学ぶことは、楽器やスポーツを習得するように時間と根気、努力が必要となります。もしその言語がネイティブスピーカー並みにペラペラではないにしても、グローバル化を意識している昨今の市場において、英語以外の言語に挑戦したことがあるという経験は大いに強みになるでしょう。
2つ目は、大人になってから外国語を始めなければならなくなった時、SFCでトライした経験があれば抵抗や苦手意識がなくなるということ。就職先で海外に赴任することになったり、海外のお客様とやりとりをしなければいけなくなることもあります。その際、大学時代に少しでも外国語を勉強した経験があれば「あのときできたなら今もできるはず!」と自信を持つことができます。外国語の授業を通じて友達や先生と仲良くなった経験があれば、さらにプラスに働くこと間違いなしです。
このように、外国語を学ぶことの意義は必ずしもその言語がペラペラになるまで上達する、ということだけではないと思っています。
例えば私は高校時代、ずっと文系だったので数学や情報は大の苦手でした。SFCでは言語と同じようにプログラミングが必修で、その授業では1年以上のあいだ非常に苦労しました。
1年生でプログラミングを習ってから4年が経ち、習った内容はほとんど忘れてしまいましたが、どうにか頑張って単位を取ったという経験があるので、もし社会人になってまたプログラミングを学ぶことになっても「あの時できたんだからまた今度もできるはず!」と自信を持てるだろうなと思います。
このように、学生時代の達成経験というのは今後の人生においても大きな意味を持つことになるでしょう。
さいごに
私は大学生時代にドイツ語やフランス語、イタリア語などに興味を持ち一生懸命学んだ経験から、ドイツに短期留学に行ったり、研究室アシスタントの一員として尊敬できる先生方に出会ったり、将来の可能性が広がったりと本当に心から楽しいと思える体験をすることができました。
そのうちフランス語とイタリア語は初級レベルですが、その言語や文化に興味を持ったという経験は今でも生きています。
みなさんはSFCに入学したらどの言語を学んで、何をしてみたいですか?
ぜひたくさん妄想を膨らませてみてください!みなさんとキャンパスで会える日を楽しみにしています!