こんにちは!慶應義塾大学総合政策学部4年生のいりすです。
SFCに興味があるみなさんだったら、一度は「研究会」という言葉を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
他大学や他学部では、「ゼミ」と呼ばれていることも多い研究会。しかし受験生にとって研究会の詳細は謎な部分も多く、
「実際なにができるの?」
「研究会って入らなきゃいけないの?」
「どうやって研究会を探すの??」
と、悩んでいる人もいるんじゃないでしょうか。
この記事では、SFC4年生である私の視点からSFCの研究会について大解剖してみようと思います!!
この記事の目次
研究会ってそもそもなに?
慶應SFCならではの「研究」とは?
SFC生はほぼ全員が、「研究会(他大学ではゼミと呼ばれることもある)」というところに所属し、いわゆる卒論などの「卒業プロジェクト」に向けて日々研究を続けています。
SFCの教授や准教授たちは、それぞれ自分の「研究会」というものを持っています。
そして、その研究会にはその教授が専門とするテーマがあり、その研究会に所属する学生はその教授の元で研究をします。
教授たちは自分の専門テーマを掲げ、「このテーマに興味がある学生を募集します!一緒に研究しましょう!」と呼びかけているのです。(開講されている研究会のテーマ一覧)
研究会では個人単位で研究することもあれば、複数人でのグループ研究もあり、また合宿や学会での発表、他大学との合同研究やフィールドワークをする研究会もあります。
「研究」というとどうしても、実験をして、レポートを書いて、論文を書いて、発表して・・・というプロセスを思い浮かべるかもしれません。
しかし、大学、特にSFCにおける研究はそれだけではありません。
ではもしあなたが、ネコが大好きでネコの研究をしたい!と思っているとしましょう。
ネコの好きな食べ物について生物学的な研究をするのもよし。
世界の国々に住むネコたちの違いについて、異文化背景を持つ仲間と世界中の人々に発信するもよし。
江ノ島でフィールドワークをし、地域猫を守るためにネコの視点からVR映像を撮影してもいいかもしれません。
どうでしょう?ワクワクしてきましたか?
このように、あなたの好きなことや問題意識から始まって、それらを突き詰め、誰かにあなたのアイデアや提案、情熱を伝える。それがSFCにおける「研究」だと、私は考えます。
目的は卒論だけじゃない!
SFCでは、4年生になると「卒業プロジェクト」というものにとりかかります。他の大学では、「卒業論文」と呼ばれることが多いかもしれません。
多くの学生は、今までの自分の取り組みや研究の成果を論文形式にまとめますが、なにかの作品を卒業プロジェクトの成果として登録することもできます。
例えば私の先輩では、映像作品や自分でデザインした服についての発表を卒業プロジェクトにしている人もいました。
論文を書くことだけが研究の目的ではなく、卒業プロジェクトに至る過程、今まで4年間何に取り組んできたか?が大事なんですね。
既存のアイデア+あなたのオリジナリティ
それでは、SFCで求められている研究とはなんでしょう?
大学での研究とは、高校までの学びとは違い、まだ答えのない問いに対しての答えを探り出すことです。
古代ギリシャから始まり人類は長年の間、叡智を積み上げてきましたが、世界が変化するスピードがあまりにも早いので、昨日までの常識が今日はもう通用しないということが起こります。
よって、大学の教授はヒントをくれることはあっても、あなたの問いに対する答えを端的に与えてくれることはしません。
時には教授にだってわからないこともたくさんあるのです。
そして大事なのは、世の中には答えが存在しない問題のほうが多いということです。それらに対し、どのような解決方法やものの見方を提供するか?というのが、あなたの研究に求められていることなのです。
SFCに入学したいと思ったら、SFCにすでに存在する研究プロジェクトや授業について調べるだけではなく、あなただけが持っているアイデアや価値観など、あなたのオリジナリティについても言えるようになってください。
もうすでに世の中で行われていること、誰でも思いつくであろうことをそのまま真似するだけでは、オリジナリティがあるとは言えません。既存のプロジェクトや研究の課題は何か?自分だったらどうするか?ということを考えてください。
もちろん基礎的な学問の知識は必要不可欠です。そのために、SFCにも数学や語学、プログラミングなど最低限の必修科目があります。
しかし、今まで誰かが用意してくれたレールの上で、受け身姿勢で「勉強する」のではなく、ぜひあなたも新しいレールを敷く側になってみてください。
SFCも、そういう受験生の姿勢を期待しているはずです。
卒業までのカリキュラムと研究会の位置付け
いつから入れるの?
多くの大学では3年生からゼミに入りますが、SFCでは希望すれば1年生から研究会に入ることができます。1年生も、4年生や大学院生と同じ環境で刺激を受けながら研究ができます。
複数の研究会に入れるってほんと?
本当です。2つ以上の研究会に入っている学生はたくさんいます。
しかし、研究会に複数入ることは相当な努力やコミットメントが求められるので、同時に履修できる研究会の数には上限があります。
いっぽう、SFCの履修は1年単位ではなく1学期単位(1年の半分)で組み替えるので、他の研究会に移動したり途中で掛け持ちしたりすることも可能です。
研究会は入らなきゃいけないの?
はい、卒業するためには4年生までに研究会に入り、卒業プロジェクトを提出しなければいけません。
研究会に入るためにはテストがあるの?!
研究会に入るために、選抜課題が設けられていることもあります。多いのは、志望理由書を書いたり、教授と面接をしたり、教授の著書やウェブサイトを読んだりしてレポートを書く、といった課題です。高校までの勉強のように、知識を問うテストは少ない印象です。人気の研究会は倍率が高く、競争が激しいところもあります。しかしあなたの興味分野に関する選抜課題であることが多いと思うので、楽しく取り組めるはずです!
研究会について知ろう
受験生が研究会を知るメリット
入学後のビジョンが明確になる
当然のことながら、学生生活の中心でなるであろう研究会について知れば、自分がSFCでどのような4年間を過ごそうかイメージしやすくなると思います。
まずはどのような研究会が存在するのか知ったら、どんな教授がいるのか、どんなプロジェクトがあるのか、先輩たちはどんな成果を挙げているのか調べ、あなただったらどうしたいか考えてみましょう。
また、厳しい現実を言いますが、「SFCが第一志望でやっと入学できた!!」と思っても、数年後自分のやりたかったことができずにがっかりしてしまうSFC生がいます。
SFCではさまざまな分野について学ぶことができますが、逆に自分が研究したい分野の教授がSFCにいなかったり、専門性の高い学部に行ったほうがよかったりする人もいます。
キャンパスのイメージだけに憧れて、自分は何が学びたいのか?というところがおざなりにならないよう、SFCそのものについてだけではなくそこで行われている研究についてのリサーチもしましょう。
長い受験生生活の中でモチベーションを保つためにも絶対に効果的だと思いますよ!
志望理由の説得性が劇的に高まる
「SFCに入りたい!」という受験生の中でも、
- 研究会とはどんなことをしているのか?
- 自分はSFCでは実際にどんな研究をしたいのか?
- 自分がしたい研究に新規性やオリジナリティはあるのか?
というところまでしっかり考えられている人は、実は少数派だと思います。特にAO入試だと、単にキャンパスの自由そうなイメージに憧れているだけでは合格することは難しいです。
「私はこのような問題意識があるので、具体的に○○教授の研究会に入り、こんな研究をし、こんなソリューションを提示したいです!」と、自分の過去・現在・卒業後の未来までを見据えたビジョンを持っている受験生が有利であることは言うまでもありません。
また、2017年度環境情報学部の小論文でも、研究会シラバスを読みあなたが入りたい研究会について書く問題が出たことを覚えていますか?
一般入試でも、入学後のビジョンが明確になっている受験生のほうが問題を解く際にアドバンテージとなります。
しかし、大学のシラバス(時間割のようなもの)は非公開ですし、大学に入っていないと研究会や教授の口コミはなかなかわからないので難しいですよね。
次の項目で、現役生の私の視点から受験生でも研究会について知ることができる方法をご紹介します。
情報収集の方法
慶應SFC公式メディア
SFC公式サイトやSNSなどでは、研究会や何かの成果を挙げた教授、学生が特集されています。
- SFCにはどんな教授たちがいるのか?
- どういう設備や施設があるのか?
- どんなプロジェクトがあり、どんな学生がいるのか?
- どんな授業があるのか?
そういったニュースに日々触れていれば、「これはおもしろそう!」とワクワクできる情報に出会えると思います。
そうしたら、
- その教授の専門分野はなんなのか?
- その施設は誰が、どのように活用しているのか?
- その学生はどの教授のもとで研究しているのか?
- その授業を担当している先生は誰か?
といったことを調べてみてください。公式HPがある研究会や、TwitterやFacebookアカウントを持っている教授もいるはずです。
きっと、自分の興味がある分野を専門としている研究会や、教授、プロジェクトが見つかるはずです!
外部メディア、教授や学生のSNS、イベントなど
さらに、ニュース、テレビなどS F Cの教授や研究会、プロジェクトは外部メディアでも特集されることがあります。また、教授が書いた書籍からも研究内容がわかります。
SFCの公式メディアでは見られない研究の様子や、研究が実社会でどう応用されているのかを見られるチャンスです!
また、SFCの教授や学生はTwitterや Facebookをやっている人が非常に多いです!
日常的にそれらのアカウントをフォローしたり、またリアクションをしたりしてみてください。
特に学生たちはフレンドリーな人が多いので、受験生が自分たちの研究に興味を持ってくれていることを喜ぶと思います!
ぜひ積極的にアクションを起こしてみてください。
最後に、キャンパス外部の会場やオンライン上でイベントや展示会、ワークショップなどを行う研究会もあります。
そういった会場に足を運び、実際に学生や教授たちとお話しすることも非常にいい機会になると思います。
最後に
みなさん、どうでしたか?
SFCにおける研究会について、わかるようになりましたか?
漠然とキャンパスに憧れるだけではもったいない。
4年間であなたがどんな学びを実現したいのか、そして将来その学びをどう活かしたいのか考えられている受験生は、教授たちの目にも魅力的に映ること間違いなしです!
ぜひこの記事を読んだあとは、さっそく自分の興味がある研究会を探して他の受験生と差をつけてくださいね!