小論文短期集中講座

小論文短期集中講座① これだけ!小論文で合格点を獲得するための最短プログラム

小論文短期集中講座では、5回にわたって、受験小論文で合格点を獲得するために必要不可欠なポイントをお伝えていきます。

チワワくん
チワワくん
小論文で合格点を取るって、そんなの無理じゃない?
Kaz
Kaz
ううん、実は誰でも短期間で小論文を上達することはできるんだ。

他の受験科目と違って、小論文はどうやって取り組めば良いか、分かりづらいですよね。僕も、現役高校生のときに慶応SFCを受験した頃は、小論文の書き方が理解できていませんでした。その結果、試験本番では箸にも棒にもかからない答案を書いてしまい、あえなく不合格になってしまった過去があります。

英語や歴史系科目、古文・漢文など他の受験科目は、知識をひたすら暗記すれば、一定の点数を獲得することができます。でも、小論文は、暗記をすれば合格点を取れるというものではないですよね。

また、学校でも予備校でも、慶応SFCクラスのハイレベルな小論文の解き方を、ちゃんと教えられる先生は極めて少ないのが現状です。これは、先生の質の問題だけではありません。

小論文の受験者数は、全体の受験者数と比較すると、増加傾向にあるとは言え、まだ少数に留まっています。すなわち、受験業界の中で需要が小さいことが、小論文の指導体制にお金をかけることを難しくしているのです。

でも、小論文には、解き方のセオリーが存在します。この解き方をマスターすれば、どんなテーマの小論文であっても、安定的に合格点を取ることができるようになります。

実際に、僕は大学受験の浪人時代にこのノウハウを理解し、実践できるようになってから、小論文の評価が、合格水準であるBもしくはB+を安定的に取れるようになりました。

また、僕はSFC学生時代に、某大手大学受験予備校のチューターとして、そのノウハウを後輩受験生に伝えていましたが、結果的に4年間で数十人のSFC合格者を輩出することに寄与できました。
そこで、本サイト「小論文のトリセツ」では、僕がこれまで小論文の作成やレクチャーを通じて実践してきたノウハウを、余すことなく、詳しくお伝えしていきましょう!

「小論文のトリセツ」の内容を理解し実践すれば、あなたが志望校の小論文試験で合格点を獲得することは、決して難しくないはずです。

【STEP1】小論文とは?作文との違い

そもそも、小論文とはどのような文章のことを指しているのでしょうか?

小論文は、論文の文字数を大幅に減らした、論文のミニチュア版だと思ってもらってOKです。通常、学術的な論文は数千〜数万文字にも及びますが、試験で出題される小論文は600文字〜せいぜい1,000文字です。

そこで、論文とは何か、その定義を見てみましょう。論文の定義として、以下のようなものがあります。

“論文とは、特定の学問上の問題について、十分な論拠をもとにして、主張や証明を行なう、論理的に構成された著作である。”
― 東郷雄二『文科系必修研究生活術』 ―

少し難しいですね。この定義を噛み砕いて、「この文章は論文っぽい、論文だ」と言わしめるポイントを挙げてみましょう。

    ①明確な問いに答えるもの
    ②自分自身の主張がなされている
    ③論拠をあげて、読む人を説得している
    ④文章の書き方は、わかりやすく論理的である

これらが、文章を論文たらしめる要素です。それぞれとても大事な点なので、この「小論文短期講座」でも繰り返し登場します。しっかり押さえておきましょう。

明確な問いに答えるもの

論文では、必ず何かしら問いが提起されています。学術論文では、先行研究を踏まえて自ら問いを定義しますが、受験小論文では、出題者側が問いを設定してくれています。
実はこの「問い」を立てるという作業が、論文を書く上ではものすごく大変なのですが、基本的に、小論文では自ら問いを作る必要がないので、その点楽だと言えますね。

自分自身の主張がなされている

論文では、あなた自身の意見の表明が求められます。誰か他の人の意見や、参考資料に記載されている情報は、あなた自身の意見を創るためのヒントになり得ますが、それ自体はあなたの意見ではありません。
問いに対して、あなたはどう考えているのか?あなたの主張を表明することが、論文の内容において外せないポイントです。

論拠をあげて、読む人を説得している

論文では、あなたの主張を読み手に納得してもらう必要があります。独りよがりの文章ではいけません。それでは、どうすれば、読み手は納得してくれるでしょうか?

説得力のある文章は、主張に対して、理由と根拠が不可欠です。
「私は〜だと考える」という主張に対して、「なぜなら〜だ」と理由づけをすることを忘れないようにしましょう。

そして、その理由をサポートする根拠あるいは論拠についても言及が必要です。これは忘れられがちですが、論文を書く上では外せないポイントですので、必ず押さえておくようにしましょう。

「主張」「理由」「論拠」、これらは3点セットです。どれか1つが欠けても、説得力のある文章にはなりません。

文章の書き方は、わかりやすく論理的である

上記のポイントを押さえたとしても、読み手にとって分かりづらい、読みづらい文章であれば、評価が低くなってしまいます。

段落の使い方、誤字脱字、文字の丁寧さといった形式的な部分も、論文の評価ポイントとなります。

内容面に関しては、「しかし〜。しかし〜。」と逆説が続くと、「結局この人は何を伝えたいんだろう?」と、読み手が混乱してしまいますよね。あなたが書いた文章を、読み手が一読して、パッと理解できる文章であることが大事です。

作文と小論文との違い

作文との違いを考えてみると、論文とは何かが、よりつかめてくるかもしれません。この違いを抑えておくことは、小論文で合格水準の得点を取る上で外せないポイントですので、よく確認しておくようにしてください。

このように、作文と小論文は、まったく異なるものなのです。

なお、僕は、作文が小論文に比べてレベルが低い、と言いたいわけではありません。作文の延長上に小説や自伝といったジャンルがあり、文学・文芸というアートが、人間の精神生活を豊かにしてきた歴史的経緯があります。

大事なことは、作文と小論文はまったく別物であり、こと大学受験においては、小論文としての答案が評価されるということを肝に銘じておきましょう。

【STEP2】問いを熟読し、論点を整理する

STEP1の「明確な問いに答える」でも登場したように、小論文の試験では、出題者が提示する問いに対して明確な回答を用意しなければ、得点に繋がりません。
そのためには、問いがどのような回答を求めているのか、しっかり把握する必要があります。

そして、小論文の過去問で出題された問いを熟読していくと、問いが求めているポイント(「論点」と呼びます)が複数ある傾向が多いことに気づきます。

1つ、事例を見てみましょう。

問1 資料1から資料6を参考にして、君が日本をデザインするとき、1)どのような日本を良い日本だと考えますか、2)その根拠となる価値観はどのようなものですか、3)実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと、の三点を説明してください(1から3の内容を含んで800文字以内、解答欄の枠内であれば、図を挿入してもかまいません)。

ー慶應義塾大学 総合政策学部(2011年)ー

今回の問いの論点を抽出してみましょう。ここでは、

  • どのような日本を良い日本だと考えますか
  • その根拠となる価値観はどのようなものですか
  • 実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと

という3つが論点です。この3つを満たす回答を作成しなければ、高得点は望めません。
(ちなみに、今回の問いでは、図を挿入することで得点のチャンスが広がりますので、ぜひ図を書くべきです)

また、小論文には資料が添付されている場合が多いです。資料は、回答を作成するためのサポート、すなわち根拠・論拠となります。資料は決して敵ではなく、むしろ問いのテーマに対して事前知識がなかったとしても、資料を上手く活用することで、小論文の合格答案が書けるようになります。

【STEP3】小論文の構成

「問いは熟読した、さぁ小論文の答案を埋めていこう!」と思うかもしれませんが、少し気が早いです。下書きなしに、800文字〜1,000文字を埋めていくのはとても危険です。
文章を書き進めていった結果、終盤になって「問いのこの論点に回答できていなかった…」と気づいても、後の祭りです。

パソコンやスマートフォンならともかく、実際の試験の答案は鉛筆で書き進めますから、答案を大幅に消しゴムで消し直さないといけません。当然、答案用紙は汚くなってしまいますし、時間も足りなくなってしまうでしょう。

そこで、小論文の答案を埋め始める前に、必ず行って欲しいことがあります。それは、「アウトライン」を作成するということです。

アウトラインとは、小論文の全体の構成を指します。いわば、あなたが作成する小論文の地図です。予め小論文の地図を用紙しておけば、800文字〜1,500文字の答案を作成する際でも、途中で脇道に逸れることなく、ゴールに向かって描き進めることができます。

それでは、アウトラインの作成の仕方を、具体的に見ていきましょう。

アウトラインの作成の仕方
アウトライン作成の肝は、段落構成を用意することです。

例えば、1,000文字の答案を作成する試験を考えてみましょう。いきなり1,000文字を埋めると考えると、とても分量が多くて躊躇してしまいますよね?

でも、段落を区切ってみると、どうでしょうか?受験小論文では、1つの段落の文字数は、200文字〜300文字が読みやすいです。1段落=200文字だとすると、1,000文字は5段落で構成されることになります。

また、1つの文章は長すぎても、短すぎてもいけません。どんなに長くても100文字、小論文では50文字程度が読みやすいでしょう。1文=50文字だとすると、200文字を埋めるためには、4行が必要ですね。この繰り返しで、1,000文字を埋めていくと考えると、取り組みやすくなるのではないでしょうか?

そして、アウトライン作成のもっとも重要なポイントは、段落の構成の仕方です。段落は、それぞれに意味を持たせるようにしてください。

・「この段落では何を伝えたいか?」
・「この段落でこのメッセージを伝えるために、どんなキーワードを入れていこうか?」

という問いかけをしながら、アウトラインを作ることが大事です。

ここで、典型的な段落構成を示します。

アウトラインの書き方
1段落目…全体の要約
2段落目…主張への繋ぎ(資料からの引用、論拠の確認)
3段落目…主張①
4段落目…主張②
5段落目…結論

1.段落を繋げていくことで、全体として1つのストーリーを作る
2.文章全体のうち、主張部分に割く文字数を多くする

1点目について、先ほど「段落毎に意味合い、メッセージを持たせよう」とお伝えしました。この段落を繋いでいき、小論文全体で、一貫した主張(メッセージ)を展開していくことが、小論文での合格答案の作成に不可欠です。もちろん、その主張は、問いに対する回答でなければいけません。

2点目は、問いに対する回答=主張部分が、あなたの回答でもっとも強く求められている点で、得点に直結します。したがって、この主張部分が、小論文全体に占める割合を増やすことが大事です。

例えば、1,000文字のなかに主張が100文字しかない答案と、500文字書かれている答案、どちらの評価が高いでしょうか?もちろん、後者ですよね(問いに対して的確に答えられているという前提ですが)。

採点する側の視点からも考えてみましょう。小論文の出題者からすると、主張をしっかり展開できている答案は、他の受験生の答案に埋もれずとても魅力的に映るのです。

主張の展開の仕方については、小論文短期集中講座の別の記事で詳しく解説してきますので、ぜひお読みください。

【STEP4】本番の小論文で高得点を取るための学習方法

とにかく過去問に取り組むべし

さて、STEP4では、1年に1度しかない小論文の試験当日にしっかり合格答案を作成するために、普段どのように準備をするべきかについて、その学習方法をお伝えしていきましょう。

これには、明確な解があります。結論から言えば、「過去問を解くことに勝る対策はない」ということです。

大学受験予備校では、模試があり、その点数で一喜一憂することもあるかもしれません。ただ、こと小論文においては、過去問に大学の出題傾向が如実に出ます。その意味では、予備校の模試で高い点数を取っても、ほとんど意味がないとも言えますね。

僕は、予備校の直前期の模試でもあまり良い点数が取れませんでしたが、そんなことは気にせず、ひたすら慶応SFCの過去問に取り組んでいました。その結果、試験本番では、いつも通り合格答案の水準で書ききることができました。

なぜ過去問に取り組むべきなのでしょうか?これは、出題者側の事情を考えると、過去問に取り組むべき必然性が見えてきます。

まず、過去問には、大学の出題の意図と傾向が如実に表れます。入学試験とは、大学側から入学生候補に「どんな学生に入学して欲しいか」を伝えるメッセージなのです。

大学入試の内情は、大学内でもトップシークレットであり、学生には一切の情報は伝えられません。とはいえ、試験は大学の教授もしくは准教授の誰かが、膨大な時間をかけて問題を作成するのです。

もちろん、大学の教授は、それぞれ専門分野をもっています。当然、小論文の出題担当
になった教授は、自身の専門分野のテーマに沿って出題するでしょう。

したがって、どんなテーマが出るか予想するのは難しいですが、受験する大学の理念や、受験する学部のカリキュラムやシラバスを大学のHP等で確認してみることは、とても大事です。

ちなみに、出題テーマの予想はたしかに難しいですが、できなくはないです。この辺りは、小論文短期集中講座でお伝えしていきます。

日頃の勉強時に、アウトラインを書く癖をつける

安定的に高い得点を取るためには、過去問に取り組むことの重要性をお伝えしました。そうは言っても、小論文に慣れないうちから、ひたすら文章を書き続けることは大変ですよね?

そういう場合は、アウトラインだけでも書くようにしてみてください。アウトラインがしっかり書けるようになれば、後は文字にして答案用紙を埋めるだけです。

もちろん、答案用紙を埋めることの訓練は必要ですが、より重要な部分はアウトラインを作成して、小論文で書くべき内容を定めることです。アウトラインの時点でダメなものは、そのアウトラインに基づいて作成された答案もダメなものになります。

本番の試験で高得点を取るための学習方法をまとめると、日常の勉強時には、「過去問に取り組む」「アウトラインだけでも書く」の2点を重視して、学習に取り組みましょう。

【STEP5】小論文作成に必要な知識のつけ方

最後に、小論文で合格答案を作成するために、知識を身につけることは必要なのか?という点についてお伝えしましょう。

結論から言うと、「必要条件ではないが、十分条件である」ということです。もっと言えば、知識はあるに越したことはないが、なくても何とかなる、というところでしょうか。

知識がなくても合格水準の答案を作成することはできます。これができる条件は、出題に添付されている資料を上手く活用できた場合です。資料を上手く活用することは、合格答案を作成する上での必要条件、必須となりますので、必ずマスターする必要があります。

もし資料があまり上手く活用できなかった場合や、資料がそもそも存在しない場合は、主張を展開するためのサポートとしての根拠・論拠を、自身の背景知識から補う必要があります。ここで、知識の必要性が出てきます。

習得しておきたい知識は、出題テーマに関する何かしらのキーワードや主張をサポートする根拠・論拠や具体的な事例、もしくは主張そのものだったりします。

もちろん、これらの知識は一朝一夕では身につきません。付け焼き刃でそれらしい知識を収集し、本番で活用しようとすると、採点する側からすると「浅はかな知識」を使っていると思われがちです。そういった知識は、他の生徒も同様に書いているため、「またこの答案か…」という印象をもたれてしまい、評価は上がりません。

そのため、急がば回れではないですが、日々の積み重ねで知識を収集していくことが、小論文作成の知識のつけ方として近道です。

それでは、知識をつけていくための有効なツールはどのようなものがあるでしょうか?
有益な情報源としては、以下のようなものがあります。

1.志望大学のHP、カリキュラム、シラバス
2.小論文の基本書
3.小論文の先生や他の生徒から得る、知識や知恵
4.時事ネタの収集

1.志望大学のHP、カリキュラム、シラバス

STEP4でも触れたように、大学の理念やカリキュラムと出題テーマには、密接な関連性があります。したがって、大学の研究テーマを理解し、周辺知識を収集しておくことは、本番の答案作成時に有利に働く可能性があります。これは、「ヤマをはる」ということではなく、志望大学ではどのようなことが「志望大学の空気感」に慣れるいう目的が強いです。

2.小論文の基本書

小論文の参考書は多くありますが、その中でもぜひおすすめしたい本は、こちらです。

小論文を学ぶ―知の構築のために


この本は、受験小論文のバイブルと呼べる本です。15年以上前のかなり古い本ですが、内容は今をもってなお、色あせることはありません。むしろ、情報の目新しさや書き方のテクニック論ではなく、小論文を書き進めるための「世界観」の構築を手助けしてくれます。

何はともあれ、まずはこの本を購入することから始めましょう。そういえば、慶応SFCの大学院受験生も、この本を熟読していましたね。

3.小論文の先生や他の生徒から得る、知識や知恵

小論文は、小論文は独学だけで成長することは難しい科目です。自分が書いた小論文を、誰かに添削してもらい、フィードバックを受けて、改めて考え、書き直してみる、というサイクルを回すことが、小論文の成長速度を加速させるポイントです。
そして、そのサイクルをより早く回すためには、他の人が書いた答案を見せてもらうことをおすすめします。自分にはない知識が得られるかもしれませんし、論理展開の参考になる部分もあるでしょう。何より、同じゴールを目指す友達ができると、勉強のモチベーションが上がります。

4.時事ネタの収集

以前は「知恵蔵」などの本を参考にしていましたが、いまは時々ネタをニュースアプリで仕入れることが効果的だと思います。たとえば、newspicksやスマートニュースを利用することで、経済や社会的に重要なトピックを効率的に読むことができます。そして、ニュースを読むだけでなく、それに対して「自分はどう考えるか」をメモしておくことを習慣化しましょう。Newspicksは自分でコメントできますし、他の有識者のコメントも読めるので、使い勝手の良いアプリです(僕も日常的に利用しています)。

まとめ

小論文短期集中講座①では、このようなことを学んできました。

・小論文は、主張、理由、根拠・論拠の固まりである
・小論文試験では、以下の4つのポイントを満たすことが求められる
①明確な問いに答えるもの
②自分自身の主張がなされている
③論拠をあげて、読む人を説得している
④文章の書き方は、わかりやすく論理的である
・問いが求める論点を、必ず満たすように答案を作成すること
・いきなり答案用紙を埋め始めるのではなく、アウトラインから書き始めよう
・過去問に取り組むことが、最良の対策である
・小論文で合格点を取るために、知識は必須でないが、あったほうが良い

今回は、小論文で合格点を取るための全体像を一通りまとめています。繰り返し読み返して、しっかりマスターしましょう。