こんにちは。
今回は慶應SFC受験生が興味を持てそうな、参加型教育系プログラムを紹介していきます。
僕の中高は教育に力を入れていたため、こうしたプログラムの情報が耳に入ってきたり、プログラムのポスター掲示板があったりと比較的学問面では恵まれていた環境にあったと感じています。
しかし、教育よりスポーツなど他のことに力を入れている学校でしたら、なかなかそうした情報は得られないでしょう。
今回の情報が少しでも学問や研究、技術などに興味を持つきっかけになったら嬉しいです。また、これらのプログラムのいくつかは慶應に限らずAO入試の出願要件になっていたり、加点要素になっていたりするものが多く含まれています。
その点にも注目していただければと思います。
慶應義塾大学が東京・神奈川に主なキャンパスを構えているため慶應のプログラムは首都圏が多い点と、僕が首都圏出身のため首都圏でのプログラムが若干多くなってしまうことを先に断っておきます。
まず、具体的なプログラムに入っていく前に以下の多くのプログラムに関わる国の団体「国立研究開発法人 科学技術振興機構」通称JST https://www.jst.go.jpについて触れたいと思います。
JSTは日本の科学技術を振興するために中高生の人材教育に力を入れており、何度か僕もお世話になっていました。
JSTが主催するプログラムもあれば後援していることもあります。
現在日本にある教育系プログラムの多くのサイトでJSTの名前を見ることになることになると思いますので、ご存じなければぜひ知っておいていただきたいです。
また、こうしたプログラムを調べていると「STEAM」という言葉によく出くわすことがあると思います。
「これは科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。」(https://steam-japan.com/より)
とある通り、AIが台頭する現代に適応するための新しい教育理念です。頭の片隅に置いておいて損はないと思います。
それでは、具体的なプログラムについて紹介していきます。
この記事の目次
ジュニアドクター育成塾
https://www.jst.go.jp/cpse/fsp/
ジュニアドクター育成塾は各大学がJSTと提携して行っている、中学生向けの次世代人材教育事業です。
これを最初に紹介した理由は全国各地に採択大学があり、これを読んでくれている人が日本のどこに住んでいても、比較的近くにチャンスがあるのではないかと考えたためです。
メジャーな大学ですと令和5年度に採択しているのは(参照:https://www.jst.go.jp/cpse/fsp/kikaku/index.html)、東京大学、筑波大学、神戸大学などです。慶應義塾大学も過去に採択しておりました。企画名は各大学によりけりですが科学者の育成が共通の背景としてあります。
ここでは慶應を例に見てみましょう。慶應では
「KEIO WIZARD KEIO Wellbeing Integrated Wizard Training Program for Elementary and Junior High School Students 生命の誕生から宇宙の利用までを科学する~みんなのウェルビーイングを君たちの科学の力で描いてみよう~」
という企画名でプログラムが開講されていました。※現在は募集を終了しているようです。
場所は主に慶應義塾大学殿町タウンキャンパス(https://www.tonomachi.keio.ac.jp)です。
これはベーシックコースとアドバンスドコースの2つのコースがあり、ベーシックコースから選抜されてアドバンスドコースに一部の生徒が参加する、という形になっています。
ベーシックコースは半年間で、月に1回キャンパスに集まり、午前中には主に世界最先端の研究をされている教授による講義、午後にはグループワークとプレゼンテーションがあります。
教授による講義のテーマは年によって異なりますが、再生医療、AI、幸福学、がん治療など非常に社会的に意義があり、ホットなテーマが多いです。
グループワークでは、SDGsに対しての理解を深めたり、スポーツデータを取得するためにアウトドアアクティビティをやり、それを分析したりなど体と頭を使うワークが行われます。
半年間のワークショップを経て、最後には何を学んだかのプレゼンテーションをするなどします。
そこから、さらに意欲のある生徒は書類審査・面接を経てアドバンスドコースに進みます。
アドバンスドコースでは少人数で、慶應の大学院の講義にあるような内容の「良い研究とはどういう要素を持つか」といった研究の基礎を習った上で、
個人の研究テーマを設定。その研究テーマで半年間研究を行います。
生徒2人に一人のプロ研究者や大学院生がメンターになり、研究のアドバイスをいただけます。
また、意欲さえあれば慶應を始めとする大学のあらゆるリソースを活用することができ、通常の中高生ではできないような貴重な経験ができます。
他大学のジュニアドクター育成塾はテーマが違うことも多いですが、いずれも普段中学校に通っているのでは決して得られないような学びが得られるので、ぜひ興味を持ちましたら応募してみることをおすすめします。
Global Science Campus(GSC)
https://www.jst.go.jp/cpse/gsc/
上のジュニアドクター育成塾にカリキュラムが近いものも多いため説明は割愛しますが
こちらは主に高校生向けです。
GSCでの研究成果を国内・国際的に権威ある学会や学生科学賞に応募し受賞すると、
それが大学のAO入試で優遇される、大きな決め手になるといったことが多く起こります。
未来構想キャンプ
https://www.sfc.keio.ac.jp/pmei/camp/
これは慶應SFCが湘南藤沢キャンパスで夏に行っている高校生向け教育キャンプです。
ここでの成果で慶應SFCの入試が優遇されることもあったと記憶しております。詳しくはご自身で最新情報を調べていただきたいと思います。
公式HPに「現場で自分たちの能力や経験を活かし、創意くふうを行動に結びつけることの重要性を学ぶ環境です。」とある通り、慶應SFCの哲学が色濃く反映されており、SFCと自分との適性を確かめるのにも役立つはずです。
創造性の育成塾
「創造性の育成塾は、日本の科学技術をリードする青少年の育成を目的とした夏合宿です。対象は全国から選抜された理科好きの中学2年生。2006年の開始以降、世界的な物理学者で文部大臣も務めた 故 有馬 朗人先生を塾長に、ノーベル賞受賞者など一流の科学者や実験名人の先生を招き、これまで16回開催してきました。」
(HPより)
僕の中学校の同期でもこれに参加した人がいますが、彼は現役で東大理系に進学しました。
しかしそれはこの塾では珍しいことではなく、多くの塾生が難関大学に進学しています。
超一流の研究者と直接交流できる他、超名門の全国各地の中学から塾生が集まり、塾生同士の交流の機会も用意されているため、その場だけでは終わらない、良い刺激を得られる仲間を作れる可能性があります。
学会発表
中高生で課題研究をしている方、もしくは課題研究に興味がある方は学会発表で賞をもらうことを目標にしてみるのもいかがでしょうか。
同年代の同じ分野の研究をしている人と同じ会場でポスターセッションすることもあれば、大学院生までいるような会場で発表することも。その分野の研究者である方から直々に質問されることもあり、もっと頑張らなければと刺激をもらえることも大いにあります。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回の記事では、慶應SFCに興味がある人がより自分の興味のある分野を極められ、また、同じような興味の仲間を見つかられるかもしれないプログラムを紹介してみました。
あまり勉強に力を入れていない学校から慶應SFCに入学した友人に聞くと上のプログラムを知らない人もいて、環境による格差を感じることがあります。
本サイトがこうした格差を是正するのに繋がったら嬉しく思います。
今後も皆さんが知らないかもしれないけれど、ぜひ知っておいてほしいことも紹介していきます。
ぜひ楽しみにしていてください。
受験勉強応援しています。