こんにちは。
今回は慶應義塾大学環境情報学部・総合政策学部(慶應SFC)受験生なら知らなければ他の受験生に差がつけられてしまうかもしれないテクノロジーを解説していきます。
以下のテクノロジーを解説している書籍や記事は山ほどあると思いますが、今回は慶應SFC受験生向けにアレンジしてお伝えしていきます。
特に環境情報学部の小論文ではテクノロジーについての教養があるとだいぶ見通しが良くなったり、質の高いアイディアを短時間で出せるようになったりします。
新しいテクノロジーの出現を手放しに喜ぶのでも、怯えるのでもなく正しい知識をつけて正しく使いこなせるようになりたいものですね。
ですから、ざっと以下の内容に目を通すだけでも構いませんし、気になる見出しから直接その解説ページに飛んでいただいても問題ないので、読んでいただければと思います。
このテーマは書くことがたくさんあるため、全11回のシリーズでご紹介いたします。
ただし、時が経過するにつれたどんどん新しいテクノロジーが台頭してくるため、その際は必要に応じてまた紹介いたします。
今回も前回に引き続き話題のテクノロジーについてご紹介します。
それでは、本題に入っていきましょう。
量子暗号通信技術
量子暗号通信技術は、量子力学的現象を利用して通信を暗号化する技術です。
この技術を使用することで、通信内容の傍受や改ざんを防ぐことができます。
従来の暗号化技術では、暗号鍵が漏洩すると、暗号化された通信内容が解読される可能性がありました。またコンピュータの著しい発展によって暗号が解読される恐れも出てきました。
ここでは、なぜ暗号解読の恐れがあるのかを簡単に解説します。
現在主に使われているRSA暗号と呼ばれる暗号は、桁数が極めて大きい2つの素数の掛け算で表された数があったときに、その数が元々何と何を掛け算したものか、そのペアを見つけるのは非常に時間がかかる、という原理を使用しています。
少し昔のコンピュータではこの計算に膨大な時間がかかっており、実質上の解読不能と判断されていました。ですが、近い将来、コンピュータの演算が高速になることや、新しい演算技術の出現によってこの計算が瞬時にできるようになってしまうのではないかという懸念がされています。
そこで重要になる技術が今回の技術です。
量子暗号通信技術では、通信に使用される光子が量子力学的な性質を持っているため、通信内容の傍受や盗聴を検知することができます。このため、暗号化された通信内容が解読されることはありません。これを読んで、何を言っているのだと思われる人も多いと思いますので、よりわかりやすく説明します。
詳しくは高校物理を履修すれば最後の単元「原子」で学ぶのですが、光には波の性質と粒の性質があります。そして、不思議なことに、光は何者かによって観測されるとその性質が変化してしまうのです。この性質を応用しているのです。
量子暗号通信技術の応用として、政府機関や金融機関などでの重要な情報のやり取り、医療情報などのプライバシー保護に役立ちます。また、量子暗号通信技術は、将来的にはインターネット上の通信やクラウドストレージの暗号化にも利用されることが期待されています。
余談ですが、暗号通信技術に限らず、このような不思議な現象が数多く確認されている学問が「量子力学」という学問です。この学問をコンピュータにより特化させたのが量子コンピュータの技術で、この分野について学部生から学べる学部は世界を見てもSFCにしかないそうです。
興味がある方は、ぜひSFCに来たら履修してみてくださいね。
スマート農業
スマート農業は、テクノロジーを使って作物生産を最適化し、収穫量を最大化する一方で、廃棄物を最小限に抑え、環境への影響を軽減する農業経営の概念です。センサーやドローン、GPSマッピングなどの技術を駆使して、天候や土壌の状態、作物の生育状況などのデータを収集し、そのデータをもとに作物管理に関する意思決定を行うものである。
スマートファーミングの主なメリットは、作物の収量や品質を向上させることができることです。作物の成長や土壌の状態をリアルタイムでモニタリングすることで、農家は潜在的な問題を早期に発見し、灌漑や施肥レベルの調整など、植物の成長を最適化するための是正処置を講じることができます。その結果、収穫量の増加や作物の品質向上が期待できます。
スマート農業のもう一つの利点は、廃棄物や環境への影響を減らすことができることです。精密農業技術を用いることで、農家は肥料や農薬などの投入物を必要な場所にだけ散布することができ、環境中に放出される化学物質の量を削減することができます。これにより、土壌の健康状態を改善し、水質汚染を減らすことができるほか、投入資材の節約にもつながります。
スマート農業は、農作業の効率化にもつながります。植え付け、収穫、灌漑などの作業をテクノロジーで自動化することで、農家は時間を節約し、人件費を削減することができます。これは、農業の収益性を高めると同時に、農家とその家族の生活の質を向上させることにもつながります。
ここで一つスマート農業系のベンチャー企業をご紹介します。その名も「Oishii」です。
Oishii farm代表の古賀大貴氏は慶應義塾大学を卒業されています。
こちらの企業は、スマート農業など最先端技術を駆使して世界中どこでも同じ品質のおいしいイチゴが栽培できる技術を開発しました。
主にアメリカに工場を構えており、ミシュラン三ツ星を獲得するようなレストランにも現在そのイチゴが使われているところがあるそうです。
まずイチゴといえばOishii Farmというイメージをつけ、その後に別の野菜や果物にも応用していくそうです。(参照:https://forbesjapan.com/articles/detail/40276/page4)
僕もいつか機会があればぜひ食べてみたいですね。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回の記事では慶應SFC受験生なら知っておきたい最新テクノロジーについて高校生でもできるだけ理解しやすいように解説していきました。
次回もこれを知った皆さんだけが受験に有利になるような情報をお伝えしていければと思っています。
これらの技術はあなたが日々勉強をしている最中にも刻々と進化していきますから、自分でも気になったものを調べてみることをおすすめします。
ITmediaやTechChrunchなどのサイトがおすすめです。
こうした最新技術に関するリテラシーは、受験に限らずこれからの社会を生き抜く上で必須と言っても過言ではないでしょう。ですから、中高生のうちから基礎的な知識を頭に入れた上で、実際に触れるなどすることで身近に感じていってほしいと思います。
そうすることで、それが受験対策としても功を奏する日が来るのではないでしょうか。
応援しています。