こんにちは。
今回は慶應義塾大学環境情報学部・総合政策学部(慶應SFC)受験生なら知らなければ他の受験生に差がつけられてしまうかもしれないテクノロジーを解説していきます。
以下のテクノロジーを解説している書籍や記事は山ほどあると思いますが、今回は慶應SFC受験生向けにアレンジしてお伝えしていきます。
特に環境情報学部の小論文ではテクノロジーについての教養があるとだいぶ見通しが良くなったり、質の高いアイディアを短時間で出せるようになったりします。
新しいテクノロジーの出現を手放しに喜ぶのでも、怯えるのでもなく正しい知識をつけて正しく使いこなせるようになりたいものですね。
ですから、ざっと以下の内容に目を通すだけでも構いませんし、気になる見出しから直接その解説ページに飛んでいただいても問題ないので、読んでいただければと思います。
このテーマは書くことがたくさんあるため、全11回のシリーズでご紹介いたします。
ただし、時が経過するにつれたどんどん新しいテクノロジーが台頭してくるため、その際は必要に応じてまた紹介いたします。
今回も前回に引き続き話題のテクノロジーについてご紹介します。
それでは、本題に入っていきましょう。
再生医療
再生医療は、損傷した組織や器官を再生することを目的とした医療技術の総称です。
再生医療は、細胞治療や組織工学などの技術を組み合わせて、病気やケガを治療することを目的としています。
再生医療の主な手法には、以下のようなものがあります。
細胞治療
患者自身の細胞を採取し、繁殖させてから再び患部に注入することで治療を行う手法です。例えば、心筋梗塞の治療には、心筋細胞を繁殖させた細胞を注入する方法があります。
組織工学
損傷した組織を再生するために、人工的に組織を作り出す技術です。例えば、再生した皮膚を使用して、火傷や皮膚病の治療が行われます。
再生医療は、現在の医療技術に比べて、より持続的な治療効果が期待されます。
また、再生医療は、患者自身の細胞や組織を使用す拒絶反応が起こりにくいという利点もあります。
しかし、再生医療にはまだ多くの課題があります。
例えば、再生した組織が正常に機能するかどうか、安全性が確保されているかどうかなどが課題となっています。今後、再生医療の研究が進むことで、患者の治療効果が向上することが期待されます。
ここで、再生医療のエキスパートを二人ご紹介します。
2023年5月現在慶應義塾大学医学部にいらっしゃる岡野栄之教授と中村雅也教授です。
http://www.okano-lab.com/okanolab/okano
https://www.med.keio.ac.jp/research/faculty/39/
実は僕は一度だけ中村教授のご講演を拝聴したことがあります。
岡野教授と中村教授は脊髄損傷を治すために日々研究されています。脊髄は人間の背骨の中にある組織ですが、これが損傷すると運動や言語などあらゆる身体機能に影響を及ぼしますが、再生の手立てがありませんでした。そこに一石を投じられたのがこのお二方の研究グループです。Keio Timesでも「世界初、iPS細胞を用いた脊髄再生医療の実現へ」という見出しで記事があります。
今後大ケガをしても、死なない限りは元通りにできる世界がやってくるかもしれません。
電子ペーパー
電子インクディスプレイは、電子書籍リーダー、スマートウォッチ、電子棚札などのデバイスに使用されているスクリーン技術の一種です。従来のLCDやLEDスクリーンとは異なり、e-inkディスプレイは、プラスとマイナスを帯びた粒子が入った小さなマイクロカプセルを使って文字や画像を表示します。
このマイクロカプセルは透明な液体中に浮遊しており、マイクロカプセルにプラスまたはマイナスの電界をかけると、マイクロカプセルが上下に動いて目的の画像や文字を表示します。つまり、画像や文字が変化するときだけエネルギーを必要とするため、e-inkディスプレイの消費電力は非常に小さいのです。また、コントラストが高く、明るい場所でも見やすいのが特徴です。さらに、光を発しないため目が疲れにくく、長時間の読書などにも適しています。
省エネで見やすく、目にも優しいe-inkディスプレイは、従来のスクリーンに代わる優れた製品です。
具体的な応用例としてはAmazonが出している電子書籍リーダー「Kindle」シリーズや楽天「kobo」、また海外に目を向けるとヨーロッパに位置する国々などの交通機関の表示で使われている例があります。(https://www.smartcity-displays.com/gds-e-ink-display/)
僕は読書が大好きなのでKindleを利用していますが、軽さ、薄さ、電池の持ちや紙のような質感は非常に便利かつ革新的だなぁと感じています。
ここでもう一度特長をおさらいしておくと
- 消費電力が非常に少ない
- コントラストが高く、明るい場所でもみやすい
- 光を発しないため目が疲れにくい
というものがあります。
案件などではなく、とても使いやすく可能性に満ちた技術だと思いますので、気になる方はぜひ試してみてくださいね。
量子コンピューター
量子コンピュータとは、重ね合わせやもつれなどの量子力学的現象を利用してデータ演算を行うコンピューティング技術の一種です。0か1の2進数のビットを使う古典的なコンピュータとは異なり、量子コンピュータでは、複数の状態を同時に存在させることができる量子ビットを使用します。
量子コンピュータがもたらす潜在的なメリットは大きいです。
暗号解読、最適化、化学シミュレーションなどの分野に革命をもたらし、新素材や医薬品の開発を可能にする可能性があります。例えば、古典的なコンピュータでは困難な複雑な最適化問題を量子コンピュータで解くことで、物流、金融、交通などの分野に応用できる可能性があります。
しかし、量子コンピュータはまだ開発の初期段階にあり、克服しなければならない技術的な課題が多くあります。主な課題の一つは、量子ビットの繊細な量子状態を長時間維持することが困難であることを指す「量子デコヒーレンス」の問題である。また、大量の量子ビットを用いて有用な計算を行うスケーラブルな量子コンピュータの構築という課題もあります。
このような課題があるにもかかわらず、近年、量子コンピュータの開発は大きく進展し、すでにいくつかの商用量子コンピュータが利用可能になっています。
今後も技術の進歩に伴い、量子コンピュータのさらなる応用が期待されています。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回の記事では慶應SFC受験生なら知っておきたい最新テクノロジーについて高校生でもできるだけ理解しやすいように解説していきました。
次回もこれを知った皆さんだけが受験に有利になるような情報をお伝えしていければと思っています。
これらの技術はあなたが日々勉強をしている最中にも刻々と進化していきますから、自分でも気になったものを調べてみることをおすすめします。
ITmediaやTechChrunchなどのサイトがおすすめです。
こうした最新技術に関するリテラシーは、受験に限らずこれからの社会を生き抜く上で必須と言っても過言ではないでしょう。ですから、中高生のうちから基礎的な知識を頭に入れた上で、実際に触れるなどすることで身近に感じていってほしいと思います。
そうすることで、それが受験対策としても功を奏する日が来るのではないでしょうか。
応援しています。