こんにちは。
今回は、慶應義塾大学環境情報学部・総合政策学部(慶應SFC)受験生の受験に役に立ちそうな本や人生観を広げてくれそうな本を紹介していきます。
タイトルに本番で出題!とありますが、実は僕は慶應SFCの受験直前で内容を知った本が総合政策学部の入試問題の資料として出題されました。つまり的中してしまったんですね。
受験にもしかしたら役に立つかもしれないと思った本が実際に役に立ってしまって僕自身も驚いていますが、それだけ方向性が正しかったということの証左かもしれません。
それでは、前回に引き続き紹介していきます。
思想・哲学系 #2
君たちはどう生きるか
この本は、雑誌「世界」の初代編集長だった吉野源三郎さんが書かれた本で、僕は漫画版を読みました。この本では、主人公である「コペル君」の日常生活を通して私たちが普段通り過ぎているかもしれない倫理的な問いを私たちに複数投げかけてきます。
また、この世界についての認識をまさにコペルニクス的転回のように180度まるっと変えてしまうような内容があります。
確かこの本が流行ってテレビなどで大々的に取り上げられるようになったのが僕が中学生の頃ですから2019年ごろだったと思います。その時に一度目を通しているのですが、僕はあまりピンときませんでした。
しかし最近になって改めて読んでみると、なるほどこの本の言わんとしていることが実感できるぞ、と思えるようになりました。詳しくは読んでみてからのお楽しみなのですが、1つだけ僕が共感、というより実感できたことを書きますね。
それが「僕たちはこの世界を構成している1分子のようなものにしか過ぎない」ということです。気づいたらこの世界に生まれていて、小さい頃は何を中心に世界が回っているのかなど考えることはあまりなく、自分が見ている世界が全てだと疑いの余地がないと感じる子供が多かったでしょう。
しかし、物心ついてくると、他の人間も自分と同じように、それと同時に違ったふうに世界を見ていることに気づくようになります。つまり、自分中心の世界から脱するということです。(ちなみにこれはピアジェというスイスの心理学者の言葉を借りると「脱中心化」と言います。)
みなさんが世界の中心ではないとしたら、あなたは何に価値を置き、何に時間を使いたいですか。きっとこうした問いからも自分のオリジナリティが見えてくるはずです。
ぜひ一度本を読んだ上で、考えてみてほしいと思います。
ニーチェの言葉
ニーチェはドイツの哲学者で「ツァラトゥストラはかく語りき」という本やニヒリズムを唱えた人物として有名です。「神は死んだ」「これが人生か。さらばもう一度」などのフレーズを聞いたことがある人もいるかもしれませんね。本の解説はニーチェという人物についての解説と近しい部分があるので、先にそちらについて綴りたいと思います。
ニーチェの唱えた「ニヒリズム」という主義(ちなみに大体英語で語尾に-ismがつくと「-主義」と訳することが多いです)は
「真理・価値・超越的なものの実在やその既成の様態をことごとく否定する思想的立場。」
スーパー大辞林より
です。この世界や人生には本質的には目的なんてないという思想ですね。
現代では科学の発展によってヒトは他の生物たちと同じ系列として語られる、一種類にしか過ぎないのではないかということもわかってきていますから、同意したくはないかもしれないけれど、否定はできない思想だと思います。
ですが、これが唱えられた当時は世間的な風当たりは強かったんです。というのも、当時はキリスト教が台頭しており、ヨーロッパでもその考え方が浸透していたからです。
そんな中で「神は死んだ」などと言ったり、上で書いたニヒリズムを唱えたりしたものですからそれは衝撃的でしょう。
人間は何事にも意味や因果関係を見出したくなる生き物ですから、世界の目的や人生の意味があると考えたくなる気持ちももちろんわかります。しかし、ニヒリズム的立場を論理的に否定することは悪魔の証明でしょう。
さらにニーチェはキリスト教を弱者のためのものだと言って批判します。ここでは詳細は割愛しますが、確かにキリスト教の生い立ちなど歴史的経緯に鑑みると弱者のためのものであるという立場は否定できません。ですから、その劇薬的な思想は反発を生みながらも私たちに新しい視点を与えてくれると、僕は感じています。
そんな劇薬のような言葉を集めたのが「ニーチェの言葉」という本です。
きっと斬新な気づきを与えてくれるであろうニーチェの思想に、ぜひ少しでも良いので触れてみてください。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回は、慶應義塾大学環境情報学部・総合政策学部(慶應SFC)受験生の受験に役に立ちそうな本や人生観を広げてくれそうな本を紹介していきました。
あと数回おすすめの本を紹介していきます。
なぜこうしたチョイスにしたのかというと、理由は様々あります。ですが、慶應SFC両学部に合格し、通っている立場として感じていて、どうしても皆さんに伝えたい、1つのことがあったからです。
それは「自分の価値観を大切にする」ということです。本の紹介の部分でも触れましたが、SFCはどの入試方式でも「あなたがなぜそれをするのか」「あなたなりの視点で」などといった問いかけが多いです。
他の誰でもない、自分が何を考えているのか、何を見ているのかを問われるのです。
ですから、あなたが何者であるかをできるだけ詳細に言語化することに役立てたり、あなたの興味をもしかしたら伸ばしたりできるのではないかという基準で、これらの本を選びました。
皆さんの受験勉強の役に立てたり、視野を広げたり、普段読まないジャンルの本への興味を掻き立てられたりしたらこんなに嬉しいことはありません。
受験勉強応援しています。