合格体験記の12回目は、慶應義塾大学環境情報学部にAO入試で現役合格し、2021年に入学した、あいさんです。
あいさんは、夏AOで不合格だったものの、失敗の原因を自分で分析し、同じ年の秋AOに再チャレンジして慶應SFCに逆転合格しています!独学でSFCのAO入試対策を進めた経験を記していただいているので、ぜひ慶應SFCのAO受験の参考にしてみてください。
また、あいさんは総合型選抜対策インテンシブコースのコーチも担当します。詳細は、無料カウンセリングにてお問い合わせください!
この記事の目次
はじめに/自己紹介
はじめまして。2021年4月に慶應義塾大学環境情報学部に入学しました学部一年のあいです。
私は、2020年秋AOで合格をいただきました。AO対策用の塾には通わずに、最後まで自力で頑張ってきました。この合格体験記が少しでもSFC AO入試を目指す受験生の参考になれば幸いです。
名前:あい
出身校:東京女学館高等学校・現役
文理:理系クラス
勉強していた科目:英語、数学ⅠAⅡBⅢ、物理、化学
慶應SFC受験方式:AO入試(夏・秋)
部活:絵画部
受験情報
準備開始時期:高校2年1月
受験結果:慶應義塾大学 環境情報学部 合格
早く自分のやりたいことや夢を見つける
私は、幼い頃から絵を描いたり、ものづくりが大好きで、高校に入る頃「建築」に興味を持ち始めました。そして将来は、建築家になりたいという夢を抱きました。
高校生活では、その夢の実現に向けて、絵画部や学園祭、自己表現の場として「建築アイデアデザインコンペ」にチャレンジしてきました。そんな中、純粋な建築学科を目指すか、それとも慶應SFCを目指すか、とても迷っていました。
最終的に私がSFCを目指したのは、SFCの先輩に授業のカリキュラムや特徴を聞いて興味を持ったことでした。また、高校2年生の秋に行われたORF(Open Reserch Forum)を訪れ、SFCの授業を実際に体験できたことで「私は、SFCに絶対入る!」と決心しました。
夏AOに向けて
高校2年の1月からAO入試に向けて、今まで自分がやってきたことや、何をSFCでやりたいのかを考え、志望理由や自由記述の作成に取りかかりました。また、AO入試に向け一念発起して自分の貯金をはたいてパソコンを買い、伝わる自由記述資料作りをするため、illustratorやPhotoshopを使い始めました。
平行して私は、自分の夢を実現するための「建築コンペ」に何度も挑戦し続けました。いくつか入賞もでき、その実績からNHKの番組にも出演できました。その結果、建築の知識やアイデアに自信がつくとともに、「自分はAOで絶対に受かる」と思うようになりました。
一方で、一般受験の模試の成績も伸びなかったので、早くAOで合格を決めたいと焦ってもいました。そして、
「実績もあるから、絶対大丈夫!」
「例年通り、とりあえず一次は行ける」
と、高校の先生から親、そして自分自身が何より最も実績中心主義になっていました。その結果、志望理由、自由記述もこれまでの実績を全面に押し出すような形で書いていました。
また、新型コロナウィルスの影響もあり、5月のSFC AO入試の募集要項公開が遅れたことと、なんと、5月後半にまさかの二次試験(面接)がなくなり、一次審査と3分間のプレゼンテーションビデオだけで合否を決めることが公式に発表されました。
3分間のプレゼンテーションビデオは、今年から新たに審査に加わった項目です。6月は毎週土日に志望理由や、自由記述の内容を元に自分の喋った動画を収録や編集をしていました。これは1日がかりの作業で、音楽やテロップも加えて作り上げました。
自由記述の方もillustratorで何度も修正を加えながら完成し、全ての提出を無事に終えました。提出後は、3分間のプレゼンもいい感じだし、むしろ面接がなくなって、良かったくらいに楽観していました。
夏AO不合格。
10月6日の3限の授業中、待ちにまった発表が来ました。エントリーサイトにログインして結果を見ました。
不合格。
「え??これは、何かの間違いだ」と思ってしまうほどでした。4限が始まったというのもあり、涙を隠しながら英語の授業を受けたのを今でもよく覚えています。先生や両親、友達に「落ちました」と報告するのがすごく辛かったです。
秋AOの準備を全くしていなかったことと、「秋AOの締め切りまでにあと10日もない!!」という状況で少しパニック状態になりながらも、自分の描いた夢を実現するために、すぐに志望理由、資料、プレゼンの作り直しに取りかかりました。
なぜ落ちたかを考えているうちに、10月6日に環境情報学部の脇田玲教授が出していた文章にヒントを見つけました。
『「3分間のプレゼンテーションビデオ」は、志望理由および入学後の学習計画、将来の目標等の内容を中心に評価しました。』
この一文で、私が提出したものは自分のこれまでの実績紹介に偏り、将来の目標が具体的に書かれてないのと、SFCでどういう自分になりたいかの記述が足りていないことに気がつきました。
この気づきから、10日間で志望理由の構成を実績中心の内容から、経験から気づいた自分にしかできないことやSFCでどういう力を身につけて、10年後こんな自分になりたい、という内容に変更しました。とりあえず志望理由に一番時間をかけて固めて、それを元に自由記述、3分間のプレゼンテーションビデオがリンクするように作り直しました。
志望理由は、すごく丁寧にどんな夢を持っていて、なぜSFCなのかを中心にかくことに注意しました。また、自由記述は、とにかくシンプルに、夏AOと比べると要点だけグッとまとめた内容になるように意識しました。また落ちるだろうな…と思いながら、なんとか締め切りの前日に秋AOを提出しました。
さすがに今度は、全く自信がなかったので、もうSFCに入るには一般受験しか残されてない、と真剣に一般受験の対策をしながら11月の一次審査の発表を待ちました。
秋AO ラストチャンス
そして、11月の後半ようやく秋AO一次の結果が発表されました。絶対落ちたと思っていましたが、一次合格していました。もうここまで来たなら絶対受かりたいと思いました。
大手のAO対策塾なら面接対策もできるというのも耳にしていましたが、ここまで頑張ってきたから面接対策も自力でいこうと強く決めていました。
一次の合格発表から面接までに一週間しかありませんでした。通学、ご飯を食べる時、常に志望理由と自由記述を見て頭に入れ直しました。また提出した文章の一文字一文字どんな意味か、具体例も説明できるように練習を重ねました。家族や高校の先輩に協力してもらい、志望理由を読んで気になったところを質問してもらったり、実際に部屋に椅子を置いて、面接当日をイメージしながら練習を繰り返しました。
そして、12月の面接当日。脇田教授から一次合格者全員に向けてお話しがあり、その時の言葉で一番印象に残っているのは、
「今日は人生で忘れられない日になるよ」
の一言でした。面接は思っていた以上に想定外な質問ばかりで確かに、一生忘れない日になりました笑 さすがSFCだなという質問で、想像の5倍以上、飛び抜けた質問もいくつかありました。
1人の教授と言い争う感じになってしまい、これは落ちたなと、一瞬思いましたが、最終的に教授3人といい議論ができたと思っています。その3日後に最終合格の発表がありました。なんと「合格」の文字と教授からコメントがありました。人生で一番嬉しい「合格」の文字でした。
最後に
私は、短期間に二度のSFCのAO入試を経験して、私が最も大切だと思うことは、夢や具体的にやりたいことを早く見つけ、なぜやりたいのか深く考え思いを育てていくこと、最後まで自分で信じた道を諦めないことです。
もう無理だ、どうせ落ちると思っても自分を信じ最後まで夢に向かって戦ってください。泣いている暇はありません。どんな時も与えられた情報について、自分の考えを冷静に分析していくことも大切です。
時には自分さえも信じられなくなる時もあると思いますが、周りの意見やアドバイスも常に耳を傾け、一人よがりにならないよう改善し続けていくことです。そして、何をしたいのか、10年後どんな自分になっているか想像してみてください。慶應SFCへの入学は自分の夢の実現のための第一歩になるでしょう。
あと、AOの準備は楽しくて時間を忘れてしまうと思いますが、一般の対策とのバランスも大切です。
長くなりましたが、私の合格体験記はこれで終わりです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。