今回の合格体験記は、慶應SFC両学部(義塾大学総合政策学部・環境情報学部)を初めとする複数の大学に合格し、慶應義塾大学環境情報学部に2021年に入学した、ヒロケンくんの合格体験記です。
ヒロケンくんは、慶應SFCインテンシブコースのコーチを務めますので、ヒロケンくんのように慶應SFCに合格したい受験生は、ぜひ無料カウンセリングをご予約くださいませ。
この記事の目次
大学受験プロフィール
こんにちは、ひろけんです。私は受験時代、理系の国立大学と慶應SFCを併願し、無事に現役で両方とも合格することができました。ここでは私の受験勉強の進め方や受験のアドバイスを書くことで、皆さんの受験に役立てていただいたら良いなと思います。
名前 ヒロケン
出身高校 芝高等学校
受験結果 慶應義塾大学環境情報学部 進学
慶應義塾大学総合政策学部 合格
筑波大学情報学郡メディア創成学類 合格
青山学院大学社会情報学部 合格
関西学院大学総合政策学部 合格
大学受験スケジュール
受験科目選択
慶應SFCの一般受験は小論文が必須で、さらに「外国語」「外国語及び数学」「数学」「情報」から選択して受験します。
「情報」については分かりませんが、慶應SFCの英語は帰国子女の人も多く受けるため、少しでも数学ができるなら「数学」や「外国語及び数学」での受験をするのがよいと思います。ちなみに私は英語と数学どちらもできたので、両方の簡単な問題のみを解ける英数選択で受験しました。
高校2年生の勉強スケジュール
高校2年生の間は、英語と数学の穴を埋めることに専念していました。
高校3年のはじめまでに、共通テスト6〜7割くらいを目指しましょう。受ける大学に関係なく高校2年のうちに数学と英語を固めておくことで、高校3年からの勉強を有利に進められるので、学校の勉強の復習をするだけでもしておくことをおすすめします。
高校三年生の勉強スケジュール
高校3年からは本格的な受験勉強が始まります。写真のグラフは、実際の私の科目ごと勉強時間の半月あたりの割合です。
赤…英語
水色…数ⅠA、ⅡB
青…数Ⅲ
オレンジ…国語と小論文
緑…理科
ピンク…社会
私の場合は、秋までは慶應SFCと国立との勉強が半分ずつくらいで、11月〜1月は共通テストの対策が多くなりました。
慶應SFC対策でいうと、小論文は12月からかなりの時間を費やすようになり、それまでは英数の勉強がメインでした。過去問対策は高校3年の冬から始めましたが、小論はもう少し早く始めたほうが、余裕があってよかったと少し後悔しています。
年間の半月ごと勉強時間は、次のグラフのような感じです。
・赤線(左側の目盛り)…半月毎の勉強時間
・青線(右側の目盛り)…累積の勉強時間
※単位…いずれも時間(h)
夏休みと直前期が多いですね。
大事なのは、最初から無理な計画を立てないことです。本当に勉強したくない日でも、勉強することが自信につながるので、今の自分よりもいつもの自分にあった計画をしてください。
以上を参考に皆さんにも学習計画を立てて欲しいのですが、ここで気をつけて欲しいのは、慶應SFCは受験科目数が少ない分、一つ一つに求められるレベルも高く、一つの科目にかける時間が長くなってしまうということです。
このことからSFC対策はやる気頼りで勉強し続けるのが難しく、きちんと一年単位、数ヶ月単位、1日単位の学習計画を立てることが合格への第一歩になるでしょう。
自己管理
一つ前の段落で皆さんには年間スケジュールを立てていただきましたが、もう一つ皆さんにやっていただきたいことがあります。
それは、自分の勉強時間をノートに記録することです。写真は実際に私が使っていたものですが、このように科目ごとに色を分けて、自分の勉強時間を記録してみてください。
ノートを作る時に注意して欲しいのは次の4点です。
- 手書きで記録すること
- 目標設定をすること
- こまめに記録すること
- 自分に嘘はつかないこと
以上のことに注意しながら勉強時間を記録すると、達成感を得られるほか、自分の勉強時間を管理できます。
私のノートを見てもらうとわかるとおり、全然勉強していない日もありますが、ノートのおかげで次の日には少し多めに頑張るなんてこともすることが出来ました。ノートを使って勉強時間を管理することで、皆さんにもやる気だけに頼らない継続的な努力をしていただけたらなと思います。
慶應SFCの数学対策
ここまでは大まかな受験の流れについて書いてきましたが、ここからはより具体的な科目ごとの対策について書こうと思います。
まずは数学です。
SFCの数学は一見特殊な問題が多く、非常に解きにくいように感じるかもしれませんが、問題の根本となる考え方はシンプルなものが多く、受験数学としての難易度はそれほど高くありません。
そのため、最初は教科書にある定理を完璧に理解することから、慶應SFCの数学対策は始まります。簡単な問題集でいいので、完璧に理解するまで何度も解き直して理解しましょう。
その作業が終わったら、共通テストの対策をするのがお勧めです。というのも、SFCの問題は独自性が強く、対策が難しかったのですが、回答が穴埋め形式であることや、誘導の仕方などが共通テストと似ているため、共通テストの対策がそのまま使えるようになったのです。
目安としては、共通テスト9割取れれば合格ラインを超えていると思うので、共通テストの予想問題集などを解いて、8割5分位取れるようになったら慶應SFCの過去問を解いてみるのも良いかもしれません。
慶應SFCの英語対策
続いては英語です。正直にいうと、慶應SFCの英語は全国でもトップクラスに難易度が高く、対策はかなり大変です。しかし、たとえ慶應SFCといっても、やることは決まっています。
英単語
まずは英単語です。
慶應SFCの入試では英検準一級から一部英検一球レベルのものが出題され、相当な語彙力が必要です。
対策についてですが、こればかりは根性で覚え込むしかありません。が、根性の出し方を工夫することはできます。
私が受験期にやっていたのは、夜寝る前に新しく100単語覚え、朝起きた時に前日の夜の100単語を覚えているか確認するのを、一つの単語帳を3周し終えるまで繰り返すことです。3周し終えたら、別の単語帳に移り同じことを繰り返します。
かなり大変そうに思われますが、最初のうちは一時間で進められるだけと決めておき、それを続けていくうちに習慣化させていくことで、徐々にたくさんの単語を覚えられるようになります。
この方法の良いところは、翌日と1、2週間後に同じ単語を何度も繰り返し復習でき、効率よく暗記できる点です。ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線では、人は1日で約75%もの短期記憶を忘れるとされており、翌日に復習できるこの方法は非常に効果的です。
過去問を解き始めたら、わからない単語をノートに書き出すのも非常に効果的でしょう。暗記は積み上げるものです。決して手を抜かずに、継続して頑張ってみてください!
長文読解
SFCの英語は単語もさることながら、英文の難易度も非常に高いです。
特徴としては単語数が多く、かなりの速度で読まなくてはいけないことが挙げられますが、速読についても最終的には読み込む以外にはありません。
しかしそれで終わりというわけにもいかないので、いくつか効果的な方法を紹介します。
一つめは音読です。初めは簡単な文章でいいので、なるべく聞きやすいように呼んでみてください。しばらく練習すると文の意味の切れ目がわかるようになり、一つ一つ日本語に訳さずに理解できるようになってきます。
二つめは、文構造の理解です。SFCの英語はとても長く、一つの英語に詰まっている時間はありません。そのため、難しい文構造に慣れておくことは効果的です。
三つ目は、またしても共通テストの予想問題の利用です。共通テストの問題は英語に関してもSFCの問題と似ている点が多く、練習台にとてもいいです。ちなみに英語の場合は、合格者のほとんどが共通テストを満点近く取っていると思います。
四つめはリスニングです。一つ目と被りますが、リスニングをすることで日本語を経由せずに英語を理解できるようになり、速読力が上がります。
読解力、速読力については、以上のような勉強方法も取り入れながら読み込む量を増やしていってみてください。
慶應SFCの小論文対策
先ほど慶應SFCの英語は全国でもトップクラスの難易度だと書きましたが、小論文に関しては間違いなく全国で一番です。
慶應SFCの小論文は、時間配分、読解力、表現力、発想力のどれをとってもレベルが高く、正直他の慶応のどの学部と比べても小論文に関しては群を抜いていると感じました。
そんな超難易度の慶應SFCの小論文もきちんとした対策を積むことで、確実に合格を勝ち取ることが出来ます。
ここでは私の対策方法を、STEPごとに分けて紹介したいと思います。
STEP1 小論文の基礎を覚える
まずは一番基本的なところを完璧にしましょう。小論文は「小」とついてはいるものの、論文であることに変わりはありません。
段落ごとに分けたり、アルファベットは二文字で一マスなどの形式的なところから、主張に対して具体例などを用いること、で説得力を増したりといった内容面のことまで、小論文にはいくつかの決まったルールがあります。
まずは参考書などを使って、小論文の基本を頭に叩き込みましょう。
STEP2 テンプレートを作る
基本を覚えたらいきなり実践です。小論文になれるために、簡単な問題でいいので、とにかく解いてみましょう。
とは言え、最初は皆全然かけませんし、採点してもらうと真っ赤な答案が帰ってくるでしょう。
そこで大事なのは、根気強く同じ問題を、100点を取れるようになるまで解くことです。私は夏休みまでに一問、冬休みまでに合計三問分100点の回答を作っておくことで、その後で問題を解くときに、最初の三問を回答サンプルのようにすることが出来ました。
サンプル問題を作ることで小論文の基本的なパターンが見えてきたら、いよいよ本番です。
STEP3 慶應SFCの過去問を研究する
SFC以外の小論文の問題なら、STEP2まででも十分対応できます。しかし、SFCの場合は、STEP2まででは全く歯が立たない場合があります。
例えば、2016年の環境情報学部では、論文の形式ではなく、物語のプロットを答えさせる問題が出たり、2021年の環境情報学部ではそもそも文章を書く必要がなかったりなど、一般的な小論文の対策が意味をなさない出題がなされてきました。
そのため慶應SFCに関しては過去問の研究を通して、SFCの求める考え方や問題の特徴を掴んでいく必要があります。
慶應SFCの小論文の傾向が変化した2018年以降の問題を何度も解いて慣れていくことで、満点を狙える完成度の高い小論文を目指しましょう。
受験の心構え
ここまでSFCの対策について書きましたが、最終的に受験で大切なのは努力し続ける心構えです。受験勉強は色々なことに例えられますが、私は受験とマラソンは似ていると思います。
受験もマラソンもペースを守りながら走り続けることが大切です。立ち止まってしまうともう一度走り出すのはとても大変です。
休んでも止まるな!ゴールを目指して走り抜け!がんばれ受験生!みなさんの受験が上手くいくことを祈っています。
