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プロフィール
慶應義塾大学総合政策学部4年(2017年入学)のHikariです。東京生まれ東京育ちで、都内の中高一貫校に通っていました。小さい頃から英語が好きで、ハリーポッターやスターウォーズを字幕版で見るのが今でも趣味になっています。
これから合格体験記を読んでいただく前提として、通っていた高校の特徴と志望校をお伝えします。
偏差値は決して高いとはいえないけれど、高校野球がとても強くて有名な学校に通っていました。高校からは「特進コース」という受験に特化したクラスに入り、3年間変わらないクラスメイトと、言葉通り毎日「みっちり」勉強していました(笑)。
週1で8時間目まで授業、8時15分から毎朝英単語テストがあったりといった感じです。そのため高校1年の頃からかなり多くの勉強量が確保されている環境におり、「高3の夏から受験勉強を始める!」という方の参考にはならないかもしれません。
志望校は、高1の頃に「どうせなら早慶に行きたい」と漠然と考えていた程度、高2でオープンキャンパスや資料を読み「慶應に行きたい」と思うようになり、高3では第一志望に慶應を見据えながら、早稲田や当時でいう”GMARCH”を目指して勉強していました。
志望校はどれもキャンパスの雰囲気で決めたところが大きく、慶應三田や早稲田、学習院や立教といった緑が多く落ち着いた雰囲気のあるキャンパスにひかれ、あとは興味のある分野を学べる学部を探し、志望学部を決めていきました。
現役時代の勉強方法
勉強方法に正解があるとは思いません。でも、ある程度「これはやったほうが良い」「このやり方はダメ」といった法則はあるように感じます。受験生の数だけ勉強法はありますが、現役で慶應SFCに合格した私が意識して行っていたことを5つ、お伝えします。
英語強化
はじめに書いたように、もともと英語が好きだったため、受験において確実に重要となる英語を得意にしよう、周りと差をつけようとかなり力を入れて勉強していました。
使用科目は英語・国語・日本史でしたが、毎日の勉強は必ず英語最優先。一番多く時間を取り、主に単語・文法・読解・リスニングの勉強を日々こなしていました。具体的に何の単語帳を使っていたか、どういう使い方をしていたのかは後述しますが、冗談抜きで英語の勉強に触れない日はありませんでした。遊びに行く日でも、朝や電車の中、寝る前など必ず少しは時間を取るようにしていました。
そうした積み重ねが、学力にはもちろん自信にも繋がり、より英語を頑張っていこうというモチベーションにも大いに貢献していきました。本番のセンター試験では英語で200点満点を取ることができ、やってきたことは間違いじゃなかったと感じて本当に嬉しかったです。
使っていた教材とその使い方
英単語帳は「キクタン」シリーズを使っていました。この単語帳にはCDが付いているんですが、これが謎の音楽とリズムに乗っていてかなり独特でした(笑)。
高校3年間、毎朝このCDを聞いたあとに単語テストがあったため、必ず毎日単語帳を開き、小テスト範囲を暗記していました。
私は読みながら書いて覚える方法が自分に合っていたのでそうして暗記していました。テスト範囲は2ページずつから始まり、1周終わると4ページずつ、また1周終わると1セクションずつ、2セクションずつ…とどんどん範囲が広がっていき、最終的に高3では単語帳一冊をまるまる範囲にした小テストを毎朝行っていました。
結局この単語帳は何周したのか本当にわからないほどやりこみ、見出し語はもちろん小さく書かれた派生語や例文での使い方も含めてほとんどの単語を覚えることが出来ました。
単語帳を使う上で大切なのは、どの単語帳を使うかということよりも、「一冊の単語帳を何周もやりこむこと」だと思います。
英文法は「スクランブル」を使っていました。こちらも同じく毎朝小テストがあり、最終的に一冊分全範囲の小テストをなんとかこなせる段階までやりこみました。
特に暗記が大変だった熟語を勉強する上で心がけていたことは、最初は熟語それ自体だけで覚えるのでなく、まず例文ごと覚えるということです。そうすることで、もしテスト中に熟語の意味を忘れても、使われていた例文を思い出すことでその文脈や訳から何となく意味を読み取り、熟語の意味を思い出せたり推測できたりすることができました。
そうして暗記を繰り返すうちに、熟語単体を見るだけで意味が出てくるようになり、そこまでいけば熟語の暗記がスラスラ出来るようになっていきました。
小論文
小論文は学部によって聞かれる内容や形式も異なりますが、そんな中でも共通しているルールはいくつかあるように思います。
小論文を解く上で私が特に気を付けていたことは3つ。
・最低限のルール(日本語の使い方や構成など)は守ること
・問題で聞かれていることにしっかり答えること
・文章の本質をつかむこと
学部によって問題形式や内容が違っても、この3つのことは必ず意識して解いていました。
当時河合塾の小論文添削を受けていましたが、これらの基本的なことをこなせていないと良い答案にはならないということを学びました。もちろんどんな内容を書くかということも大切ですが、その大前提としてこの3つのことは最低でも守るようにしましょう。
復習
「忘却曲線」という言葉を聞いたことはありますか?人は1日・1週間と経つにつれ、7割以上の記憶を忘れてしまうというものです。
つまり、せっかく授業を受けて理解しても、時間がたつにつれどうしても忘れていってしまうんです。復習する意義は、この悲しい人間の性(さが)を乗り越えることにあります。
確かに復習は面倒な作業ですし、しかも毎日勉強を続けているからこそ、それと並行して過去に学んだことをどんどん忘れていることに気づかない場合もあります。しかしそうして復習を怠っていると、気づかないうちに忘れていた内容は膨大な量になってしまい、取り返しのつかないことになります。
私は日本史がそうでした。授業を受けて満足してしまい、復習が全く追いつかず、結局最後までインプットが間に合いませんでした。
復習をしないというのは、分かりやすく言うと「お正月、祖父母の家で親戚一同にもらったお年玉を全部置いて帰ってきてしまう」くらい、もったいないことです。もし復習の仕方が分からないなら、先生・先輩に方法を聞くなどして出来るだけ早くいろんなやり方を試し、自分にあった、かつ効果的な復習方法を見つけましょう。
例えば、私は復習する上で「人に説明できるか」ということを意識していました。
ただ問題を解き直すのではなく、「なぜこの問題は選択肢Aが正解で選択肢Bが間違いなのか」というように、先生がするような解説を自分が人に話せるかどうかを確認することで、自分の理解度を把握し、あいまいな箇所や分かっていない部分に気づくことができました。
この作業に出来るだけ2日以内、遅くとも1週間以内には取り組むようにしていました。
現役時代のメンタル管理
勉強ももちろん大切ですが、メンタル管理もとても重要です。日々のモチベーションや体調に直結しますし、試験当日にどんな調子になるか分からないからこそ、何があっても対応できるよう日頃から対策しておく必要があるからです。
私が現役時代、メンタル管理の上で大切にしていたことは主に3つあります。
メリハリ
量と質という言葉がありますが、受験勉強する上でこの2つを使いこなすことは必要不可欠です。
例えば私は、家ではゴロゴロしてしまい勉強ができなくなるタイプでした。ですが自分自身そのことが分かっていたので、代わりに塾にいる間は集中し、だらだらする時間は作らないと決めていました。そのため、勉強時間(量)は決して多くないけれどそれをカバーする質の高い時間を確保し、メリハリをつけることが出来ていたように思います。
また、休憩の取り方や睡眠にもメリハリをつけることを心がけていました。人の集中力はそんなに長くは続きません。こまめに休憩をとり、その間はしっかり目や頭、体を休めること、また10分と決めたなら必ず10分後には勉強を再開するなどといったことを意識していました。
そして睡眠は日中のパフォーマンスに大きく関わるため、テスト期間などよほどのことがない限りは、出来るだけ日付が変わる頃には寝るようにしていました。
ただ長い時間勉強すればいいわけでは決してありません。メリハリのついた質の高い時間を過ごせているか、そのために改善すべきことがないか、自分のために振り返ってみてください。
模試の日のメンタル
たかが模試、されど模試です。入試本番前、一番入試当日に近い1日を過ごすのが模試の日だと思います。模試の日に感じたことや体験したことは入試当日にも起こるかもしれません。そうした意識で1日を過ごすことをおすすめします。
例えば模試の日、隣の人の貧乏ゆすりの音やシャーペンのカチカチした音で全く集中できなかったということがありました。でも入試本番、耳栓をして試験を受けることはできません。だったら自分がそうした環境でも集中できるようにするしかないのです。
イヤホンをして周りの環境音をシャットアウトするか、静まりかえった場所でないと集中して勉強できなかったので、少しずつ音や人の気配のある場所で勉強する時間を作り、慣れていくように対策をしました。
他にも、お昼ご飯に炭水化物をとり過ぎたりお腹いっぱい食べてしまうとその後眠くなってしまい、集中して問題が解けなかったということがありました。それをきっかけに母と相談し、どんなお昼ご飯が一番眠くならないか、模試のたびに研究するようになりました(笑)。
私の場合はサンドイッチに落ち着き、おまけに集中力をあげるためラムネを食べるということがルーティーンになりました。おかげで当日も万全の体調で試験に臨むことができたように思います。
普段から出来ないことを、入試当日急に出来るようになることはほとんどありません。模試の日は、勉強内容だけでなく自分のメンタル的な弱点を見つけるきっかけにもなります。当日を万全のメンタルで迎えられるよう、模試の日を意識して過ごしてみてください。
仲間の存在
私は高校3年間クラスが変わらないコースにいたので、ずっと同じメンバーで日々を過ごしていました。クラスメイトに限らず、こうして一緒に目標に向かっていけるような存在は、モチベーションを保つ上でとても大切だと思います。
どうしても受験には身体的・精神的にきつい時期があります。そうした毎日をどうにか乗り越えていくために、心がくじけないよう声をかけあい、またくじけたら励ましあえるような存在は、かけがえのないものです。そしてこうした経験は、大学時代もその後も必ず自分の糧になってくれます。
試験結果・最後に
センター利用も含めると、このような結果でした。
・早稲田 国際教養学部 不合格
・慶應 法学部 不合格
・慶應 商学部 不合格
・慶應 総合政策学部 合格
・学習院 法学部 合格
・学習院 国際社会科学部 合格
・立教 異文化コミュニケーション学部 不合格
・法政 法学部 (センター利用)合格
・成蹊 法学部 合格
・成蹊 経済学部 不合格
成蹊大学が最初の入試・合格発表だったんですが、ずっとA判定だったところが不合格となり、「これはまずい」とかなり焦りました(苦笑)。でもそのおかげで、それまで以上に気合を入れて日々を過ごせるようになり、なんとか受験期を乗り越えることができました。
総合政策学部は受けた中で最後の合否発表でした。手応え的にも、それまでの試験結果からも、不合格に違いないと割り切っていたので、合否発表を自分で見ることもせず、母から合格していたと連絡があった時、私は学習院に入学する決意をしてディズニーランドを楽しんでいました(笑)。
3年間必死で勉強してきた事実に誇りを持っていたので、どんな結果であれ後悔はなかったですが、慶應が受かった時には、それまで支えてくれた全ての人に感謝を伝えなければ、という気持ちが湧き上がってきたのを覚えています。
いくら良い判定が出ていても、本番では何が起こるか分かりません。そしてその逆も然りです。どうか最後まであきらめず、毎日をすごしてほしいと思います。受験生のみなさんを、心から応援しています!