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自己紹介・プロフィール
私は神奈川県横浜市出身で、日本大学藤沢中学校・高等学校を卒業しました。日本大学の付属校という性質上、多くの生徒がそのまま日大に内部進学していく中で、外部大学を目指す人はごく少数派でした。そのため、私の「慶應を受ける」という選択は、同級生の中でも少し稀有な存在だったと思います。
高校時代は運動部に所属し、練習漬けの日々を送っていました。真剣に受験を意識し始めたのは高2の秋。部活動を早めに引退し、勉強に集中する時間を作りました。当時は「特進クラス」という外部受験を前提にしたクラスに所属しており、同じクラスの仲間も意欲的でした。特に、のちに早稲田大学に進学する友人と一緒に勉強したことは、自分にとって触発される機会になりました。模試を一緒に受け、過去問を解き合い、学習法を共有する中で、自分の弱点も明確になり、受験勉強に本腰を入れられるようになりました。
受験結果
受験したのは慶應義塾大学の総合政策学部と環境情報学部で、どちらも外国語(英語)+小論文方式で受験しました。結果は両方とも合格。第一志望としていた総合政策学部に合格できたときの喜びは代え難いものです。
一方で、慶應文学部は準備不足で不合格。さらに、本来受験を考えていた法学部は、SFCの試験直前に日程が重なってしまい、環境情報学の受験日が3日連続受験になることを避けるため出願を断念しました。今でも少し心残りですが、畢竟、SFCで学ぶ機会を得られたことに満足しています。
併願校はいわゆるMARCHを中心に出願しました。明治大学法学部、立教大学の個別日程、青山学院大学などに合格しています。共通テスト利用でも複数の大学に合格しました。
模試の成績を振り返ると、英語は安定して偏差値70前後をキープしており、自信を持てる科目でした。国語は偏差値65程度で、現代文を得意としていました。評論文を読むことが好きで、立教大学の過去問では満点を取ったこともあります。国語力が小論文対策にも直結したと感じています。世界史は他の科目に比べ成績が低く、偏差値60前後と不得手でしたが、幸いSFCの入試科目ではなかったため、戦略的に学習時間を割かない決断をしました。
慶應SFCを志望した理由
SFCを志望した理由は大きく3つあります。
1つ目は「自由度の高さ」です。高校時代から環境問題や社会課題、そして経営や国際関係といった幅広い分野に興味がありました。SFCでは文理を越えて学べるカリキュラムが整っており、自分の関心に応じて学びを組み立てられることに強い魅力を感じました。
2つ目は「身近さ」です。中学・高校時代から湘南台駅を乗り換えでよく使っていたこともあり、キャンパスの存在を知っていました。学生の雰囲気や自由な学風にも触れる機会があり、自分に合っていると感じました。
3つ目は「英語力を活かせる入試方式」です。私は当時、英検1級の取得に挑戦しており(大学1年の夏に合格)、英語を得意科目として磨いていました。SFCの入試は英語の比重が大きく、自分の強みをそのまま武器にできると考え、受験戦略の上からも、第一志望に決めました。
使用した参考書・教材
英語
- 英検1級過去問題集
- SFC対策用の超長文読解問題集
- 英字新聞(The Japan Times, The New York Timesなど)
- 洋書の多読
特に「生活の中に英語を組み込む」ことを意識しました。スマホの言語設定を英語に変え、SNSやニュースも英語で読むようにしました。これにより、自然と長文読解に慣れ、英語を日常的に使う感覚を養うことができました。英英辞典も、英語を英語で理解する能力をたかめることができるので、おすすめです。
国語(現代文)
- 現代文の問題集
- 過去問演習
- 生きる 現代文キーワード
評論文を繰り返し読み、要諦を自分なりに整理する練習を行いました。背景知識の蓄積や読書習慣があったことも有利に働きました。小論文にも、活かせる箇所はおおくあります。現代文の対策も怠らないでください。
小論文
- 過去問(最重要教材)
小論文は現代文の得意分野と親和性が高く、論理的な文章を組み立てる練習を重ねました。また、社会問題や国際情勢について普段から新聞・ニュースに触れていたため、背景知識を答案に活かすことができました。新聞は、すこし晦渋に感じる日経新聞やThe economistがおすすめです。
科目別勉強法
英語
英語学習においては、英検1級の単語帳を徹底的に反復し、語彙力の磐石な基礎を築きました。これにより、長文読解やリスニングにおける未知の単語に遭遇する機会を大幅に減らすことができました。長文対策としては、英字新聞や洋書を読み、自然と速読力を養いました。多読によって英文特有のリズム感や論理展開に慣れることができ、限られた時間内で正確に内容を把握する力をもたらしました。
国語
現代文の学習においては、「とにかく読み解く」ことを最も重視しました。評論、小説、随筆など、多様なジャンルの文章に触れることで、筆者の論旨を的確に捉える力を養いました。とりわけ、評論文については、哲学、社会学、科学など、幅広い分野の背景知識を積極的に学びました。これにより、文章の深層にあるテーマや筆者の意図をより深く理解できるようになり、複雑な論理構造も整理して把握する力が向上しました。
文章の構造を意識しながら精読する練習を重ねることで、文章全体の要旨を短時間で抽出する能力も磨かれました。この現代文で培った読解力と論理的思考力は、得意科目である小論文の基盤を築く上で非常に役立ったと実感しています。
小論文
対策としては、過去問演習を軸に進めました。答案作成後には、必ず模範解答と自分の答案を比較し、徹底的な自己分析を行いました。具体的には、論理展開に飛躍がないか、根拠は客観的かつ説得力があるか、設問の意図を正確に捉えられているかといった点を重点的に確認しました。
また、自分では気づきにくい論理の飛躍や表現の曖昧さについては、学校の先生や予備校の講師に添削を依頼し、客観的な視点からアドバイスをいただきました。様々なテーマについて論述することで、多角的な視点から物事を捉え、自分の意見を明確かつ論理的に表現する力を養うことができました。
選択と集中
苦手科目である世界史をどう扱うかは大きな課題でした。最終的に「必要ない科目は優先順位をさげる」という選択をしたことで、得意な英語・国語・小論文に集中できました。諦めといえば諦めですが、選択と集中の結果だと思っています。
これから受験する人へのアドバイス
具体的なアドバイスとしては、スマホとの関係をよく考えたほうがいいです。
無限スクロールしてませんか?
それをしていたら、この記事をここまで読むほどの集中力が、どんどん減っていきますよ。何より、使える時間もなくなっていきます。これを読んでいる画面の上に、通知が溢れていませんか? 通知の数も減らしましょう。
最後に、SFCを目指す皆さんには、社会に関心を持ち、幅広い知識を日々吸収する習慣を大切にしてほしい、と伝えたいです。そうした知的好奇心は、合格後にも大きな財産となるでしょう。受験という経験そのものも、確かに大変な道のりですが、今思えば、これからの人生にとってかけがえのない糧となっています。







