合格体験記の7人目は、2021年慶応SFC(環境情報学部)に現役合格した、久保くんです。
小論文のトリセツも活用して慶應SFCに現役合格した元生徒さんです。具体的な学習方法をご覧いただき、学習に役立ててくださいね。
この記事の目次
はじめに/プロフィール
こんにちは、2021年度の久保です。
いきなりですが、まずは私の受験結果をご覧ください。
・九州大学→不合格
・慶應義塾大学総合政策学部→不合格
・慶應義塾大学環境情報学部→補欠合格
受験した大学の組み合わせが変だと思われるかと思いますが、そのことはひとまず置いておいて、まず皆さんが思うことは、「こいつほんとにギリギリで受かったんだな」ということだと思います。
なかには、こんなにギリギリで受かった人の合格体験記なんか見てもしょうがないと思われる方もいるかもしれませんが、少し待ってください!
そんなギリギリの私だからこそ話せる内容もあります。
SFCダブル合格みたいな人とは違って、私は数多くの失敗をこの受験でしてきました。補欠という形でも受かったのが奇跡と言えるくらいです。
これから受験をする皆さんには、自分と同じ失敗はしてほしくありません。
そして、「こんなに失敗をしている人でもなんとか受かったんだ」というように思って、あなたの自信にしてください!
今回は合格体験記ということですが、ただ他人の受験の記録を見てもあまり得るものはないのではと思います。
なので、この受験の記録からこれから受験する人にとって重要だと思うポイントを7つまとめています。
ぜひこのポイントを意識しながら、読み進めていってください。
〜高3の9月末
慶應SFCの合格体験記ということで始めさせてもらいましたが、実はこの期間、一切SFC対策を行っていません。と言うか、この頃の自分はSFCの存在をなんとなくでしか知っておらず、もちろん志望校ですらありませんでした。
この頃はまだ、京都大学や九州大学などの旧帝国大学が、「なんとなく」志望校でした。
ということなので高3の9月末までについては、私が使用したSFC受験の科目の英語と小論文のうち、英語の対策(国立用)のみを行っていました。
やったこと
・ターゲット1900(〜高2)
・世界一わかりやすい 英文読解の特別講座(高3の4、5月)
・ネクステージの語法、イディオム(高3の6、7月)
といった感じです。私がここから伝えたいことは、この参考書たちが、慶應SFC英語を解く上での基礎の基礎になってくれたということです。
上に書いた参考書は、どれも基本的なものばかりです。SFCを目指すなら難しいものをやらないといけないと思っている人も多いはずです。
しかし、基礎からやらないと難しいことも頭に入ってきません。まずは基礎固めから初めましょう!
参考書については、基礎的なものであればどれでも問題ないと思います。
同級生にも単語帳では、シス単や鉄壁など、他の単語帳を使っている人がいましたが、何を使うかはあまり問題ではなく、どのくらいやったかで英語の実力が分かれていったように思います。
そうは言っても何をやればいいのか決められないという人は、私が使った参考書に取り組んでみてください。どれも良い参考書でした。
また、下にある写真が私の使ったネクステージの成れの果てです笑
ボロボロですよね。参考書を決めたら、このくらいやり込んでください。このくらいやれば、やっと内容が自分もモノになっていくはずです。
ポイント1
SFC英語でも基礎的な参考書を徹底的に
10月〜11月24日
このくらいの時期になって、やっとSFCを意識し始めました。なぜそうなったかというと、このくらいの時期になってやっと、「なんとなく旧帝国大学を志望していたけど、それはそもそもなぜだろう?」という疑問が出てきたからです。
また、そもそも理系でしたが、あまり数学と理科が得意ではなかったということもあり、受験で数学と理科が不要だけど、入学後は理系として自分の学びたい分野をより専門的にできる学校はないか…、その結果見つかったのがSFCでした。その後、次第にSFCのクリエイティブな校風にも惹かれるようになり、本格的に志望校を変更するというところまでたどり着きました。
ですが、志望校を変更したのはいいものの何をやっていいか分からなかった当時の自分は、とりあえず以下のようなことをやっていました。
やったこと
・環境情報学部過去問5年分一回ずつ
・小論文の過去問をを学校の先生に添削してもらう→書き直し
・小論文を学ぶの通読2回
・早慶オープン
・小論文のネタ探し
英語については特に何も考えずにやっていました。最初に解いたときの点数は135点くらいで、ちょうどボーダー付近だったので、少し調子に乗ったことを覚えています笑
一方、小論文は過去問を解く→学校の先生に添削してもらう→書き直し→添削→……という流れで、過去問を5年分やりました。
SFCを受験されるみなさんは、専門的な塾、予備校の添削を受けたほうがいいと思われる方も多いと思いますが、私は序盤ではまず学校の先生の添削を受けてみてもいいのではと思います。
学校の先生でも基本的な小論文の書き方は、少なくとも初学のあなたよりは知っているはずです。確かにSFCの小論文は特殊ですが、超基本的な小論文のルールは学校の先生でも教えてくれます。
お金がいくらでもあるという人はいいですが、そうではない人はまずは無料で引き受けてくれる学校の先生を頼り、添削指導を受けてみましょう。基本的なことがわかった状態でSFCに特化した添削を受けると、よりその添削の学習効率も上がると思います。
ポイント2
とりあえず学校の先生に添削を頼んでみよう
また、この時期にたまたま見た本webサイト「小論文のトリセツ」がおすすめしていた、「小論文を学ぶ」を2回通読しました。
「小論文を学ぶ」では、1章で小論文の書き方、2章で小論文を解く上で必要になってくる背景知識、3章で実際に解いてみるという構成です。そのうち私が特に役に立ったと思うのは2章で、以下の2つのポイントで特に役に立ちました。
・小論文のネタになった
・小論文を解く上での下地(背景知識)ができた
読み物としても面白いので、ぜひ読んでみてください。
この時期に私がいつも感じていたことは、焦りです。普通に考えて、10月からSFCを目指し始めるという人はあまりいないと思います。いくら、英語の基礎があるとはいえ無謀なのではないかと思っていました。
この失敗から皆さんに伝えられるのは、シンプルで、早く志望校を決めようということです。大学受験では大学によって傾向が大きく違い、ひどい場合では科目すら違う場合があります。
このような理由から、途中で志望校を変えるというのは大きなロスです。難関大学を少しでも受ける可能性のある人は、なるべく高2のうちから決めておくほうがいいでしょう。
ポイント3
志望校はなるべく早く決めよう
そして、この時期に早慶オープンという河合塾の模試がありました。英語の点数は7割ちょうどで、小論文があまりできなかったということしか覚えていません。
この模試は非常に返却が遅く、この時期に受けたのにも関わらず返却は本番まで1ヶ月を切っていたような気がします。自己採点ができない小論文の返却の遅さは致命的です。その意味では、あまり受ける意味がなかったのかなと個人的には思います。
また、合間合間にネタになるような話題をユーチューブや本で漁っていました。ネタを集めることに賛否両論があることは分かりますし、問いにまっすぐ答えるというのは前提ですが、個人的にはやってよかったと思っています。(本番でもそのネタを使いました)
そこで見つけたのが、NewsPicksというところが出している動画で、特に
スマートシティに宿る「人間の可能性」とは?スマートシティ化で我々の生活はどう変わるのか?隈研吾氏、林篤志氏らが徹底討論
という動画が良かったです。
本番まで時間が無いという人はおすすめしませんが、時間があるという人はぜひ見てみてください。
11月25日〜年末
しかし、いくら学校の先生が真摯に小論文の添削を行ってくれるとはいえ、やはり慶應SFCという比較的難易度の高い小論文の指導には限界があるのでは、と考え始めるようになりました。
そこで何か代わりに慶應SFCの小論文について専門的に教えてくれるところがないかと探していて見つけたのが、この小論文のトリセツが運営していた、「小論文合格サロン(現 慶應SFCインテンシブコース)」です。
最初は月額数千円という破格の値段に惹かれたというのが正直なところですが、このサービスの素晴らしいところは、アウトラインの添削と質問に対して丁寧に答えてくれることでした。
下の写真が、kazさんにアウトラインの添削をしてもらったときのチャットのやり取りです。
次の写真が志望校についての相談を聞いてもらったときのものです。このように真剣に答えてくれる人がいるというのは、とても心強かったです。
現在は慶應SFCインテンシブコースの中に組み込まれているようなので、詳細は下記のリンクでご確認ください。
やったこと
・総合政策学部の英語の過去問5年分
・総合政策学部の小論文の過去問5年分のアウトライン→添削してもらう
小論文については、アウトラインを添削してもらっていたこの時期に一番伸びたような気がします。なぜならアウトラインは小論文を書く上の基礎で、上手なアウトラインが書けていないと、上手な小論文は書けないからです。
ポイント4
いい小論文は、いいアウトラインを書くことから
英語については、相変わらず過去問を取り組んでいました。
ですが、今考えると無駄な時間だったと思います。というのも、自分の取れた点数に一喜一憂して、次にどう活かすか考えていなかったからです。
たしかに過去問を解くことは傾向を掴む上で重要ですが、本質的な実力の向上にはあまりつながらないと思います。
私の思う効率的な過去問の使い方は、過去問でできない分野を確認して、それをできるようにしていくというものです。
例えば過去問を解いていて単語がわからないから失点していると分かれば、単語を覚えていくべきです。当たり前のことですが、ここで闇雲に過去問を解いていても、単語が覚えられるわけではありません。
これは人それぞれ違うと思いますが、少なくとも惰性で過去問を解くことははやめるべきです。
ポイント5
過去問は目的を持って解こう
1月1日〜17日
この期間もまた、SFC対策は一切やっていません。なぜかというと、共通テスト対策をやっていたからです。
あれ?SFCに絞って対策をしていたのではないの?と思われるでしょう。自分でも最初はそうするつもりでした。
ですが、秋ごろに学校で受けた共通テスト対策模試で、なぜか九州大学など地方旧帝国大学の判定がすべてA判定だったことで気持ちがゆらぎ始めます。
1月のはじめに少し共通テスト対策をして、九州大学も受験すれば滑り止めになるのではないかと思い始めたのです。今考えると、真剣に九州大学を目指している人に対しても失礼ですし、SFCに絞って対策しないと、SFCが危うくなると冷静に考えるべきでした。
結局共通テストを受けてみると、直前の模試からなんと約70点下の点数を取ってしまい、九州大学を滑り止めにという甘い考えは消え去ることになるのですが…
とにかくここから言えることは、1度志望校を決めたからには、何があっても変えるべきではないということです。
滑り止めは志望校と傾向が似ているところを選ぶべきです。
ポイント6
志望校を決めたら、何があっても貫き通そう
〜本番
というわけで、共通テストで惨敗した私は再びSFC対策を始めます。
やったこと
・SFCの過去問添削5年分
・英語の過去問の解き直し
・英語の過去問の単語を覚える
まず小論文についてお伝えします。小論文はアウトラインの書き方には慣れてきたということもあり、本格的に時間を測って、できたものをkazさんに添削してもらうようにしました。
これをすることによって、小論文の実力を本番で出し切ることができる力を身につけられたと思います。
英語については、この時期になってようやく、過去問を解いていても点数が上がってきているのではなく、どちらかというと変わっていないということにうすうす気づき始めました。
そこで私が行ったのが過去問に出てくる単語の暗記です。たくさん覚えた割にはあまり本番で出なかったような気がしますが、それでもSFC第一志望の学生は過去問にある単語くらいは覚えていると思うので、差がつかないようにするためにもやっていて正解だったと思います。
本番前日
私の住んでいるところが地方だったので、前日は数年ぶりに来た横浜の都会さに圧倒されていました笑
前日に試験のことではないことを考えられたのが、緊張を和らげる上でいいことだった思います。
また、kazさんからの応援メッセージにも勇気づけられました。
(写真5)
入試当日
SFCの本番の試験を受けてみての感想は、英語がどちらの学部も体感で6割でした。体感というのは、あまりにも英語が悪かったと感じ、自己採点をするのが怖すぎて帰りの新幹線で捨ててしまったからです笑
また、総合政策学部の小論文の結果もあまり良くはありませんでした。具体的にどこが悪い言うことはないのですが、英語の結果の悪さをカバーできるほどの結果ではなかったように思います。
一方、補欠合格した環境情報学部の小論文の出来は最高でした。この年はなぜか問1に数学が出てきて少し面食らいましたが、もともと理系だった私にとっては難しい問題ではなく、むしろ問1をサクッと解けたことで、いい流れで次の問いに取り組めたと思います。
問2、問3は直前にやった過去問で考えたこと、本で見たことがあることを、問の条件に即して書いていけばきれいに枠が埋まっていきました。
SFC入試2日間の最終日、最後の科目で大逆転です!皆さんも、それまでの科目、前日の学部の結果がどんなに悪くても諦めず頑張ってください!!
ポイント7
最後まで諦めない
以上で私の合格体験記は終わりです。
失敗したことだらけで、ほとんど不合格体験記なのではという内容でしたが、1つでもあなたの受験に役立つことが伝えられていれば嬉しいです。
最後に – 慶應SFC合格のポイント
最後にこの記事で紹介したポイントと、SFC入試のためにやったことをまとめておきます。
ポイント
①SFC英語でも基礎的な参考書を徹底的に
②とりあえず学校の先生に添削を頼んでみよう
③志望校はなるべく早く決めよう
④いい小論文は、いいアウトラインを書くことから
⑤過去問は目的を持って解こう
⑥志望校を決めたら、何があっても貫き通そう
⑦最後まで諦めない
SFC入試のためにやったこと
英語
・ターゲット1900(〜高2)
・世界一わかりやすい 英文読解の特別講座(高3の4、5月)
・ネクステージの語法、イディオム(高3の6、7月)
・環境情報学部、総合政策学部の過去問それぞれ5年分
・英語の過去問の単語を覚える
小論文
・環境情報学部の過去問を学校の先生に添削してもらう→書き直し
・小論文を学ぶの通読2回
・小論文のネタ探し
・総合政策学部の小論文の過去問5年分のアウトライン→添削してもらう
・kazさんの添削5年分
以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!