小論文のノウハウ

近代の思考 – ロゴス・パトスとは何か?【小論文読解講座#3】

小論文読解講座3

こんにちは!慶應義塾大学総合政策学部2019年度入学のHiroです!

第2回の小論文読解講座では、近代の考え方の根底には「近代的主体」と「実存」というものがある、という内容をお伝えしました。

今回は“ロゴス”と“パトス”について、話していきたいと思います。

今回の内容は、近代の考え方を理解するための基盤となる考え方になります。全てはこのロゴスとパトスから始まると言うわけです。

基本だからと言って、内容が簡単と言うわけでは決してありません。近代の考え方のすべての基本となるわけですから、それだけ汎用性が高いと言うことであり、ゆえに抽象度も高いと言うことになります。そのため、この考え方を完全に理解するのには時間がかかると思います。僕も受験生の時、完全に理解しきるのにはかなりの時間がかかりましたし、当然一度では理解できなかったです。

なので、焦らずじっくりと時間をかけて隅から隅まで理解して欲しいと思います。途中で分からなくなっても、投げ出さず、最後まで諦めないで欲しいと思います。

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ロゴスとパトスという人間の二つの側面

ロゴス←―→パトス

ロゴス=意識的・言語的・論理的
ex ) 理性・知性

パトス=無意識的・非言語的・直感的
ex ) 感性・感情

まず、“ロゴス”と“パトス”は対比するものです。よく理性と感性が対比で用いられますが、まさにその対比は抽象化すればロゴスとパトスの対比なのです。

ロゴス=理性、パトス=感性と考えても、大学受験においては問題ありません。ロゴスとパトスというのは、理性や感性の根底にある、より抽象度の高い概念なのです。そのため、理性はロゴスの具体例、感性はパトスの具体例ということになります。

ロゴス=理性・パトス=感性と当てはめて考えると、それぞれの特徴がより分かりやすくなるでしょう。

ロゴス=意識的、パトス=無意識的

まず、理性が意識的であり、感性が無意識的であるというのは、直感的に分かりやすいのではないでしょうか?

感性というのは意識して働かせるものではなく、無意識に働くものです。何かの芸術作品などを見たときに感動するのは、無意識のうちに感性が働いたことで感じるものなのです。

一方で、理性は、物事を考えようという意思に支えられるものなので、意識的だと言えるでしょう。

ロゴス=言語的、パトス=非言語的

理性は言語的、感性は非言語的。先ほどの芸術作品の例が、これにも当てはまります。

作品を見たことで無意識的に感性で感じた感動は、その時点では言葉になっていない、すなわち言語化されていないはずです。のちに言語化することもできますが、少なくとも感動した瞬間は言語化されていないので、パトスは非言語的だと言えます。

それに対して、意識的な意思によって働かされる理性は、言語を媒介しないと働かせることができないので、言語的ということになります。能動的に理性を働かせて物事を考えるためには、思考するための言語が必要なのです。

そして、感性で感じた非言語的な感動を言語化することについてですが、自分自身が何かに感動した時の話を思い出してみてください。何かに感動した瞬間は、“なんとも言い表せない”というような、非言語的なものであったはずです。

しかし、その感動を最も適切な表現で友人に話した経験はありませんか?この時、感動は言語化されているのです。それは感性で感じた非言語的な体験が、理性の中に組み込まれ言語化されたのであり、それはすでにパトスの働きではなくなっているのです。

ロゴス=論理的、パトス=直感的

理性=論理的、感性=直感的というのも分かりやすいでしょう。

理性は“考える”、感性は“感じる”のです。論理を立てて物事を考える時には、言語を通して間接的に理解しているのです。一方で、直感的に何かを理解するときは、言語を通して何かを考えることなく、直接的に“分かってしまう”のです。

以上をまとめると、

今回の大事なポイント

ロゴスは意思の力に支えられているという点で意識的なものであり、その意識の中は言語で組み立てられるので言語的であり、また物事を見る時には論理を立てて最初から最後までを理解するので、論理的だと言えます。


一方で、パトスは無意識に働くものであり、言語化されていない直感的な物事の理解を特徴としています。

まとめ

今回は以上になります。“ロゴス”と“パトス”というものがなんとなく理解できたでしょうか?

ロゴスやパトスと聞くと難しい哲学用語のように聞こえるかもしれませんが、実際の内容に関してはみなさんが今まで生きてきた中で、なんとなく聞いてことのある考え方であったり、実生活の中で直感的に・感覚的に(それこそパトス的に)知っていることであったと思います。

まさに今は、その感覚的な理解というものを言語化しようとしている最中なのです。色々な情報が錯綜してすこし頭が追いつかないような感覚になるかもしれませんが、ぜひもう一度読み直してみたり、自分なりにノートにまとめてみたり、音読して人に説明できるようにしたりして、自分の中に落とし込んでいただきたいと思います。

冒頭でもお伝えしましたが、一度で完全に理解できるようなものではないので、じっくりと時間をかけて理解していって欲しいと思います。

次回は、「ロゴスとパトスのより具体的な働き」をお伝えしたいと思います。

ABOUT ME
Hiro
Hiro
慶應義塾大学総合政策学部1年。1年間の浪人を経て、英語・小論文受験で合格しました。通っている学部はSFCですが、本キャンの受験経験があるので、本キャンの小論文の解答解説をメインで書いてます!

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