こんにちは。慶應義塾大学総合政策学部(SFC)2019年入学のサカエです。
この記事を見て下さっている方は、おそらくタイトルの通り年明けから「そろそろSFCの小論文対策しないとやばいかな…?」と思い、検索された方だと思います。また、似たような状況から実際に過去問に当たってみて、「意外と難しいなこれ…マズイ!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では「年明けからSFC小論文に取り組む」ことができるように、僕が思うSFC小論文においての必要最低限の肝を押さえていきます。これを読めば合格できるというものでは断じて無いですが、これを読むのと読まずにいるのでは大きな違いが出てくることかと思います。
この記事の目次
慶応SFC小論文の対策 必須事項①:問いに正対する
SFCの理念について触れていく前に、このことを先に述べておきます。僕は自分の回答の添削を学校の先生にやって頂いていたのですが、その先生には常々「問題に正対しよう。それだけで受験者の中で上位30%には入れる。」と言われていました。
つまり、それだけ多くの受験生が、「問いで聞かれていることに真っ向から答える」ことが出来ていないのです。
慶応SFC小論文の対策 必須事項②:問いをバラして書き出す
僕は過去問演習の記事においても、「問いを余白に書き出し、それぞれに対応させていく形でアイデアを形成していくとかなり楽」ということを言っていますが、年明けからの短い期間でSFC対策をする場合にはこの方法が効きます。なぜなら、問いと自分の答案に含まれている要素を無理矢理にでも一問一答形式にすることで、「抜け」があるときに一瞬で判別することが可能だからです。
今からSFC対策をする方は、予備校の直前講習であれ、過去問演習であれ、小論文を書く時は絶対に
・問いを用紙の余白に書き出して、それに対応する形で自分の考えを書き、それを基に答案を作成する
ことを意識して下さい。説明だけだと分かりづらいと思うので、簡単な具体例を挙げます。
「あなたがりんごを好きか嫌いか、またそれらの好みを持ったきっかけとなる出来事を教えて下さい。」という質問(設問)があったとしたら、問いは
・自分がりんごを好きか嫌いか
・好きなら好きになったきっかけとなる出来事、嫌いなら嫌いになった出来事
に答えればよいというわけです。これに対応するように、
・りんごは嫌い
・小さい頃始めて食べたりんごが、たまたま傷んでいたせいで、味が悪かったという出来事があったから
という要素を書き出します。あとはこれを基に答案を書けば、「問いに正対する」ということは完璧に出来ているということになります。
問いをバラして書き出すというテクニックは、実際に受験し合格した自分の視点からも本当に有用なので、絶対に覚えておきましょう。必ず、あなたの答案作成をサポートしてくれます。
慶応SFC小論文の対策 必須事項②:問いを要求に対して、将来のSFC生としての適性を示す
問いに正しく答えた上で、後述の通りの思考を踏むことで採点官に「適性」を示します。結局の所、SFC小論文で高得点が取れる答案とは、奇抜な発想の答案でも優等生的な答案でもなく、「SFCの求める人物像に沿っていそうな答案」なのです。したがって、採点官に対して、その適性があるように、紙面上で振る舞えば良いのです。
一般入試において、あなた自身と採点官の対話が可能なのは紙面の上のみです。ですから、これから示す「SFCの理念の本質」を掴み、そこから「SFCでやっていける風」な答案を作り上げればよいのです。
何だか夢も何もない話ですが、実際に判断する材料が答案のみである以上、こうせざるを得ません。だったらそこを突くような対策をして合格をさっさと掴みに行きましょう、という話です。もちろんSFC小論文のレベルからするとそれは簡単ではありませんが、決して無理ではありません。
それでは、実際にSFCの理念について言及しながらSFC小論文のエッセンスを掴みに行きましょう。
慶応SFCは「問題発見・解決」型キャンパス。だからこそ…
慶應SFCは「問題発見・解決」を志向するキャンパス(大学)です。「そんなの分かってるわ!」と言いたくなるかもしれませんが、ここを正しく押さえていない受験生が意外と多いのです。
このSFCの理念にはひとつ、非常に流動的な要素を持つ単語が入っています。それは「問題」。
ある事実を「問題視している人」の価値観を把握する
よく考えてみれば、それを問題とするかなんて完全に人によると思いませんか?マヨネーズが大好きでしょうがない人からしてみれば、「マヨネーズを切らしている」という事実は問題になりえますが、マヨネーズが嫌いな人からすれば問題ではない、むしろありがたいと思うくらいでしょう。要するに、価値観の話なのです。
なので、SFC小論文において問題を取り扱う時は「誰のなんという価値観か?」ということを強く意識し、実際に記述(問題の形式や文脈によっては不必要な時もある)するようにしましょう。これがあるとないとでは、理念の本質に対する理解を採点官に示せるという点で大きく差が付きます。
単純に「これは問題だ!解決しなきゃ!」のように行き当たりばったりの思考をするのではなく、「まずこれを問題視する人って、どういう価値観なんだ?何を悪だと考えてるんだ?」というように俯瞰することが非常に大切です。これは恐らく社会に出てからも役に立つ思考だと思います。
完璧な問題解決を目指さない
SFC受験生にありがちなのが、「問題を根絶やしにしようと頑張る」ことです。もちろんその姿勢自体は良いのですが、SFC小論文は取り扱う問題には実際の社会問題など、各分野のエリートたちが集まって試行錯誤してもうまく行っていないものが多いです。
そんな問題を、たかだか18~20年生きてきただけの受験生が完璧に解決できると思いますか?無理ですよね。ましてや、1,000文字程度の論述では不可能です。
大事なのはどこまで細かく掘り下げるかではなく、解決しきれなかった残りの領域にどう折り合いを付けるかです。これは問題によって様々であるためその場で考えることしかできないのですが、そもそもこの「解決の限界」という概念を頭に入れておくだけでも大分合格答案に近づけると思います。
慶応SFC小論文の直前対策のまとめ
今回は年明けからでもSFC小論文に向かっていけるように、僕が今まで使っていた考えのやり方の中で特に重要だと思ったものをピックアップしてご紹介しました。これを読めば合格というわけではないですし、これを読んだ後の過去問演習やリライトが何よりも大切ですが、この記事にあるやり方を少しでも意識するだけで今までよりある程度合格に近づいた答案を完成させられるのではないかと思っています。ぜひ頑張って下さい。
ここまで読んでくださりありがとうございました。それでは。