みなさんこんにちは!小論文のトリセツスタッフのいりすです。
私は慶應大学SFCにAO入試で合格し、2018年に総合政策学部に入学、その後2022年にSFCを卒業しました。
今回は慶応SFC卒業生の視点から、慶應SFCのAO入試に合格する志望理由書と落ちる志望理由書の特徴について解説していこうと思います!
この記事の目次
2024年夏秋AO入試について
入学時期:2025年4月/2025年9月
出願言語:日本語または英語
募集人員:総合政策学部・環境情報学部ともに150名
1次選考:履歴書、志望理由書(2000字)、自由記述(A4サイズ2枚以内)、任意提出資料などによる選考
2次選考:30分程度の面接試験
2024年夏秋AO入試でも、従来通り志望理由書+自由記述+任意提出書類の審査と面接試験があることは変わっていません。
慶應SFCのAO入試 直近の合格倍率はこちらの記事で見られます!
慶應SFCのAO入試に落ちる志望理由書の特徴
ここからはまず、慶應SFCのAO入試を目指す受験生に非常に多い、AO入試で残念ながら不合格になってしまう志望理由書理の特徴について解説していきます。
1. 慶應SFCに対する理解ができていない
「慶應SFCは起業家を養成する学部」
「慶應SFCのAO入試は一芸入試だから実績があれば誰でも合格できる」
「起業、AI、ドローンなどのワードを入れれば合格できる」
このように、いまだに慶應SFCに対する誤認識をしていませんか?
慶應SFCのAO入試は日本でも最難関レベルとも言われており、合格倍率が10倍を超える年もあります。
日本全国から優秀な受験生がたくさん集まっているので、生半可な気持ちでAO入試にチャレンジすると合格は非常に厳しい状況です。
まずは慶應SFCがどのような学部・大学か?どんな理念があるのか?ということをしっかりリサーチした上で、慶應SFCのAO入試を受験したいか決めましょう。
2. 志望理由書が付け焼き刃
「慶應SFCはスーパー高校生が受験するって聞くけど、自分は実績がないからどうしよう?」
と焦る受験生は多いです。
しかし自分のこれまでの関心や問題意識と、自分が受験までにとってきた行動が噛み合っていなければ、いかにも「AO入試のために無理して実績を作ったな」と思われてしまいます。
大切なのは実績や受賞履歴ではなく、あなたがどのようなことに関心や問題意識を持っており、その背景にはどのような経験や経緯があり、そしてなぜそのことに関して学ぶにはSFCに入学する必要があるのか?を説得力をもって説明することです。
特に大都市以外の出身や、SFCに行く人が少ない学校だと、なかなかイベントや大会などに参加する機会がないという人も多いと思います(私がそうでした)。
近年のAO入試では、どのような行動をとりどのような成果を上げたか?という点だけで評価するのではなく、SFCを志望するまでの思考過程を評価される傾向があります。
3. なぜSFCか?に答えられていない
「志望理由書は大学に対するラブレター」という言葉もありますが、ラブレターと志望理由書の大きな違いは、「ラブレターは感情的でもいいが志望理由書は論理的でなければいけない」という点です。
日本には数多くの大学や大学以外の選択肢がある中で、「なぜSFCか?」という問いに説得力をもって答えられないとAO入試の合格は非常に厳しいです。
ここでのポイントとして、志望理由書や書類の中で「感動した」「面白いと思った」「興味を持った」など感情を述べる言葉を使うときは、「なぜ?」と掘り下げることによってその感情を抱いた理由を分析しましょう。
また、志望理由書を書くにあたって現場でのリサーチやフィールドワーク、インタビューなどを実施するとよりその分野に関する理解が深まります。
慶應SFCのAO入試に合格する志望理由書の特徴
それでは、どんな志望理由書が慶應SFCのAO入試を突破するのでしょうか?
ここでは合格する志望理由書に書いてある内容例を見ていきましょう!
1. 慶應SFCのAO入試に合格する大前提を理解している
AO入試は大学が一方的に学生に対して判断を下す試験というより、大学と受験生のマッチングを図る試験です。
2024年夏秋AO募集要項にもこのような記載があります。
“募集定員の限りもあり,選考という形式をとらざるを得ませんが,アドミッションズ・オフィスは入学志望者と大学が互いに望ましい「マッチング」を創り出すための出会いとコミュニケーションの場です。 ”
このことから、受験生側には以下のことが求められると言えます。
SFCのAO入試合格=(自分を知る)+(SFCを知る)×表現力・相手に伝える力
前回の記事では前編と後編に分けてSFCのAO入試に合格する志望理由書の内容例を詳しく解説したので、ぜひチェックしてください!
2. 「なぜSFCなのか」に答えられている
志望理由書においてこの点は必須です。
世の中にはたくさんの大学や大学以外の選択肢があり、また慶應義塾大学にはSFC以外にもたくさんの魅力的な学部があります。
それでもなぜあなたはSFCに行きたいのか?なぜSFCじゃないとダメなのか?
この問いに答えられなければ、合格倍率がときに10倍を超えることもあるSFCのAO入試を突破することは難しいと言えます。
3. 「過去→現在→未来」の軸に沿って思考できている
本Webサイト「小論文のトリセツ」では何回も繰り返してきていることですが、志望理由書を書くうえで大切なのは自分の「過去→現在→遠い未来→近い未来」についてきちんと考え、それを文章に落とし込んでいるということです。
過去:あなたは幼少期から今までどのような人生を送ってきたか?どのようなことに関心をもち、どんな気持ちを抱いてきたか?
現在:あなたは現在どのような人か?何に関心があり、どんなことに取り組んでいるか?
遠い未来:あなたが達成したい目標や将来やってみたいことは何か?
近い未来:そのためになぜSFCに行く必要があるか?SFCで具体的に何をしたいのか?
この点はいわば志望理由書の根幹をなす部分になるので、必ず時間をかけてじっくり考えるようにしましょう!
慶應SFCのAO入試に落ちる志望理由書を合格水準まで引き上げる方法
ここまで慶應SFCのAO入試に落ちる志望理由書・受かる志望理由書の特徴について解説してきました。
ここからは慶應SFCのAO入試に落ちる志望理由書を合格水準まで持っていく方法について書いていきます。
1. SFCをよく知る人物から添削を受ける
添削を受けずに志望理由書を提出する人は少ないと思いますが、ここで大事なのは「慶應SFCをよく知る人物(現役生や卒業生など)に一回は添削をしてもらう」ことです。
慶應SFCは必修科目が少なかったり、専門を1つに限定しなくてよかったり、研究会というシステムがあったりと他の大学や慶應の他の学部とは異なる特徴があります。
他の大学や慶應の他学部と同じような対策をして志望理由書を書いていると、SFCに対する理解が不足してしまい説得力に欠けてしまいます。
2. 合格者の志望理由書を真似しすぎない
インターネット上では合格者の志望理由書を見ることができるサイトもあるようですが、合格者の志望理由書をテンプレートのようにして志望理由書を書くと志望理由書に個性がなくなってしまいます。
志望理由書の個性とは、「なぜこの部分にこの文章が書かれていなければいけないか」という必然性のことだと考えて良いと思います。
志望理由書に盛り込まなければいけない内容はある程度共通しているものの、それをどのようにアウトプットし、伝えるかという表現の部分は多様であるべきです。
AO入試の試験官は何千人もの受験生の志望理由書を読んでいます。
自分で考え抜いていない志望理由書は一発で見抜かれてしまう可能性が高いです。
3. 自分と向き合う
SFCのAO入試に落ちてしまう志望理由書の特徴として、内容が表層的で必然性に欠けるということを説明しました。
SFCは「起業」のイメージが強く、なんでも「起業」で解決しようとする志望理由書を書く受験生もいます。さらにAIやドローン、NPOなどといったワードを多用する人もいます。
しかし起業やAIの活用などは手段でしかなく、その先には目的があるはずです。
本当は自分は何を達成したいのか?
一度真剣に、自分の思いを深掘りしてみてください。
その際にお勧めなのが、自分の思いに対して常に「なぜ?」と投げかけることです。この作業を通じて、志望理由書をよりパーソナルで深みのあるものにしてみてください。
まとめ:AO入試は自分と向き合う作業
この記事では慶應SFCのAO入試で落ちる志望理由書と合格する志望理由書の特徴について解説しました。
慶應SFCのAO入試で不合格になってしまう志望理由書は、誰かの真似であったり表層的であったりすることが多いと考えられます。
AO入試は一般入試とは異なり、たった一人しかいない自分という存在と向き合う作業です。
慶應SFCと自分との「マッチング」を説得力をもって説明するため、SFCについてよく知る人物の助けを借りて志望理由書を書いてみてください。