【大学別】小論文の過去問分析

【現役SFC生が伝授】慶應SFC(総合政策学部・環境情報学部)の小論文の対策、勉強方法

この記事を見てくださっている方のほとんどが、慶応SFCを志望上位校に置いている受験生の方だと思います。

今回はタイトルにもある通り、「SFC小論文を解く時に気をつけるべきこと」についてご紹介していきます。SFC小論文対策のためのサイトは検索すればいくつも出てきますが、それらの多くがテクニック論に偏ったものであり、真に受験生のためになるものは少ないと感じています。

そこで今回、慶応SFC(環境情報学部)に現役で合格できた私が、SFC小論文に対する本質的な考え方を軸にして問いへの答え方、解答用紙の使い方からリライトに至るまでの全てを余さず紹介します

「これを読むだけでSFC小論文が格段に解けるようになり、絶対に合格できる!」といったものでは決してありませんが、これを読むことによって、今までSFC小論文に感じていた疑問やモヤモヤ感を少しでも取り除き、普段の勉強効率を上げることは可能だと考えています。

それでは、最後までお付き合い頂けますと幸いです。

SFC全体での理念を理解することが何よりも大切

慶応SFCに合格するために最初に起こすべき行動は何かというと、「SFCがどんな人物を求めているのかを知る」ことです。決して、いきなり過去問を解きまくるといった安易な行動に走らないようにしましょう。

有名な言葉の一つに「敵を知り己を知れば百選危うからず」というものがあります。大まかには、「敵の実力や現状をしっかりと把握した上で自分の力をわきまえて戦えば負けることは無い」という意味ですが、この「敵を知る」ということが何よりも大事です。

自分の力は敵に合わせて高めていけばよいのですが、その敵すら知り得ないということではお話になりません。この名言においては敵を知ることと自分を知ることのウエイトがイコールのように書かれていますが、実際には敵を知ることの方がはるかに重要です。

豆知識もほどほどに、SFC全体としての理念を確認していきましょう。

湘南藤沢キャンパス(SFC)は、「問題が与えられ、正解を教わる」のではなく、 現代社会において「何が問題なのかを自ら考え、解決する方法を生み出す」ための教育を 文理融合の2つの学部が一体となって展開しています。 分野を横断した「問題発見・解決型」の学びで、未来を創造する力を養うキャンパスです。
(公式パンフレットより引用)

太字の部分に注目してください。確かに下の方では「問題発見・解決」とありますが、前半には「何が問題なのかを自ら考え、解決する方法を生み出す」ための教育をしていると公式は発表しています。

赤本などの対策ページ、また他のSFC対策サイトにおいてはしばしば「SFCは問題発見・解決型キャンパスなんだ!」ということを押しに押して解説している印象が強いですが、このSFC理念にもある通り、問題発見・解決というポリシーのさらに奥には「何が問題なのかを自ら考える」というプロセスが存在しています。

ただ闇雲に「これが問題だ!これはこうやってこうすれば解決する!SFCに入れてくれ!」という旨の小論文を書くようでは、残念ながらSFCに合格することは難しいと言わざるを得ません。なぜなら、上のような考えには「なぜそれを問題と感じたのか?その根底にある価値観はどのようなものなのか?」といった本質的思考を自分の頭を絞って行った形跡が全く無いからです。

慶応SFCは、学問という領域を大きく飛び越えて現実社会に存在する問題を発見し、解決していくことを理想としているキャンパスです。英語や数学、日本史や化学などパッケージングされた学問においてはある程度モノサシが統一されており、その状況において「問題」となるものはすべからく問題となります。

しかし社会に起きている問題はそうではありません。例えば、A国とB国が戦争状態にある状況においてA国で非常に凶悪な自爆テロが起こり、兵士含む国民の多くが死亡したとします。A国においては当然この事実は「悪」、つまり「問題」そのものですが、立場を変えてそのA国と戦争状態にあるB国から見ればこの事実は「善」となるでしょう。敵国の兵士や国民が大勢死に、それによって国全体としての士気も下がっていくことでしょうから。

このように、一つの事実も見る立場を切り替えてみると問題になったりならなかったりします。SFC小論文においてはこの考え方が抜け落ちている受験生がほとんどです。つまり「問題」というものにはそれを問題たらしめる考え方、すなわち価値観/観点が存在するということです。

この部分は非常に重要でありSFC小論文対策の根幹となる概念であるため、理解し切れなかったという場合は何度でも読み返しましょう。

どういう風に小論文に落とし込めばいいの?

確かに考え方だったりSFCの理念については十分理解したけど、実際問題その考え方を小論文に落とし込むのはどうすればいいの?」と感じることでしょう。これに関して特効薬となることをここに書き記すのは不可能(そんなやり方はない)であり、過去問など場数を踏んで添削を受けて、リライトをして、自分の答案をブラッシュアップしていくうちに自然と落とし込むことができるようになるものです。

とはいえそんなことを言っていては、せっかく理解した概念を使い始めようにも使えないので、最も良いであろう方法をご紹介します。それは「問題用紙の文章をちゃんと読む」ということです。「そんなこと当たり前でしょ」と感じるかもしれませんね。でも、本当にちゃんと読み、内容を100%理解できていますか?設問までに続く比較的長めの文章、資料文、飛ばさずに一字一句ちゃんと読めていますか?自信を持って「はい」と答えられる受験生は、意外と少ないと思います。

慶応SFCの小論文は、設問文・資料文をよく読むことで、「その年度においての問題発見・解決」の一連の流れがつかめるようになっていることが多いです。もちろんそのフォーマット通りに文章を書くのはいけませんが、既にSFC流のその年度の考え方が問題用紙に書いているのならそれを利用しない手はありません。これに関しては心苦しいですが、実際に過去問をやってみて体感していただくのが一番です。ぜひ過去問に当たってみて、「あ、これ資料文の考え方参考にして自分で考えて書けば問いにふさわしい問題発見・解決になるようにできてるのか」という感覚を覚えてほしいです。

「問に正しく向き合う」ことの重要性に気づいている人は実は少ない

「問に正しく向き合う」というのは、要点を述べると「質問にちゃんと答える」という非常に簡単なことなのですが、これができていない受験生があまりに少ないです。

SFC小論文は他大学を圧倒するレベルのボリュームの資料文が有名であり、受験生もそれに警戒をして「資料文に気をつける!」といった風に読み進めて行きます。そうすると得てして一番重要な設問文を軽視することとなり、問いの要求に対して不足した答案が出来上がってしまいます。もちろん、問いの要求を満たさない答案は、大幅な減点となってします。

こうした状況を防ぐためには、「問の分解」が最も効果的です。

一見長ったらしく全ての要求に答えるのが難しそうな問題文でも、バラしてみれば「あれ?これとこれとこれに答えればいいだけの問題だったの?」と問題の難易度が少し下がる効果があります。さらに、先程のように「これに答えればいいのか」というのは精神的にも楽になります。例を挙げましょう。

慶應義塾大学環境情報学部2016年の小論文、問3の問題文には

問2であなたが選んだモノやコトが、来るべき未来にどのような発展・進化を遂げているかを考えてください。そして、それらが登場したきっかけとともに、そのモノやコトを使うことによる生活や人の意識の変化を、現在から未来を想像しながら880字以内で説明してください。なお、未来においてはあなたが大学を卒業した後を想定していますが、どの年代かは自由に設定してください。

とあります。長いですね。
でも、これをよく読んで「結局何が聞かれてんの?」という風に分解していくと

・問2で選んだモノやコトが来るべき未来にどんな発展進化をするのか
・それは登場したきっかけ
・それによる人の生活や意識の変化(現在から未来を想像しながら)

という3つの質問に過不足なく答えればこの問いはクリアできます。もちろん自分の頭で考えるのは前提ですが、箇条書きにするとそれらを解答という形でアウトプットする際にやりやすくなります。

私のおすすめは箇条書きにした問題それぞれから矢印を伸ばし、その先に自分なりの答えを書いて、あとはそれに適宜肉付けをしながら繋げて解答用紙を完成させるというやり方です。答え漏らしがほぼなくなるので、過去問演習の際から積極的に使っていくことをおすすめします。本番での安心感は計り知れませんでした。

何でもそうですが、練習でやっていないことは本番でも当然できません。本番にどんなことができるようになっておきたいかを書き出し、それら全てを演習中に抑えられるようにしても良いかも知れません。

文章を書く上でのマナーはあまり気にしなくて良い

SFC小論文においては、「枠をはみ出してはいけない」「◯◯文字程度とあったら周辺50文字を出てはいけない」「書けるなら回答は漢字の方が良い」というような細かいルールに頭を悩ませる受験生が多く見受けられますが、これらは基本的に一切小論文の点数に影響ありません。実際のSFC合格者が、1000字程度の指定で枠内に2000字近く書いていたという類の話はよく聞きます。

SFCの採点官からしても、膨大な数の答案を短い時間で捌き切らなければいけないため、くだらない枝葉の部分にいちいち注目している暇がないのです。受験生も同様に、くだらない枝葉の話は点数に影響が全く無いということで安心して、存分に中身や考え方をアップデートしていって欲しいです。

添削を受けることの重要性

慶応SFCに限らず、自分が演習で書いた小論文を先生や信頼できる先輩などに添削してもらうことは非常に大事です。

受験数学などであれば別解はあれど最終的な帰着点は絶対的なものであるため独学であっても結果を残すことは可能ですが、小論文となれば話は違います。本番であっても小論文は「人が見て、人が採点」します。

「え?数学も同じでしょ」と思うかも知れませんが、数学は前述の通り絶対的な答えがあるのに対し小論文は採点項目といった指標を作った上で肝心の採点は採点官の主観に任されています。もちろん採点項目は人によってのズレが出ないように設計されているかと思いますが、それでも主観によって点数が左右されるのは致し方ありません。そんな状況だからこそ、第三者の目によって自分の答案を精査してもらうというのは非常に重要です。

また不思議なものですが、自分の答案は良くできているように見えてしまいます。私自身も、自分で何回読み返しても完璧だと感じた答案を学校の先生に添削してもらったところボコボコにされたことがあります。正しい知識を持つ人間に添削を頂くことにより、自分の答案の悪いところに気づくだけでなく、考え方も徐々に軌道修正することができます。

なお、本サイト「小論文のトリセツ」では、慶応SFC現役生/卒業生による添削サービスを行っていますので、気兼ねなくお問い合わせくださいね。

リライトの重要性

リライトとは、小論文を一度書き、添削なりなんなりで改善点を見つけたら、それを活かしながら同じアイディア、題材(テーマ)でさらに良い答案を作り上げることです。このリライトも、小論文対策において非常に重要な役割を担っています。それは、「合格答案に限りなく近いものを、たとえ時間がかかっても自分の力で作り上げる」経験が得られるからです。

陸上選手は平坦な道、上り坂に加えて下り坂での走練習も行うそうですが、それは「自分の自己ベストを超えた走りのスピード感を味わうため」だそう。これと同じように、いくら時間がかかってもよいので、合格答案を作り上げる感覚をリライトで沢山味わうことが非常に大切です。補助輪がついた状態でまずは良い答案が書けるようにしましょう。

まとめ

ここまで、SFC小論文において気をつけるべきこと、心構えについてご紹介してきました。いくらかはすぐに試すことができ、すぐに効果が期待できるものもありましたが、基本的には、SFCの理念を抑えた上で演習を繰り返すことが一番の近道だと私は考えています。

SFC小論文について有益な情報をこれからも発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは。

ABOUT ME
サカエ
サカエ
慶應義塾大学総合政策学部1年生。自分の受験生時代に培った、小論文の学習方法をもれなくお伝えします!