受験生のみなさんこんにちは。総合政策学部22年卒のいりすです。
10月20日、2022年度夏秋AO入試の1次選考合格発表が行われました。
目標へとさらに一歩近づいた方、おめでとうございます!引き続き2次選考に向けて気を引き締めて頑張っていきましょう。
この記事は、残念ながらAO入試に不合格となってしまったみなさんに向けて書かれています。
「努力は必ず報われる」というけれど、今はそんな言葉すら信じられなくなってしまっているかもしれません。
だからこそ、この記事でみなさんにどうしても伝えたいことがあります。
それは、本気で慶應SFCを目指すのであればAO入試に落ちてしまったあとの行動が今後の勝敗を確実に決めるということです。
この記事ではAO入試で不合格になってしまう理由、今後の過ごし方についてや一般入試、来年度以降のAO入試で合格するための方法などについて、AO入試で総合政策学部に入学した私がお話ししたいと思います。
この記事の目次
なぜ慶應SFCのAO入試に落ちてしまうのか
一般入試よりも楽そうだからという安直な理由でAO入試受験を検討してはいけません。
なぜなら後述のように、慶応SFCのAO入試は日本最難関レベルだからです。
その理由はいくつかあります。
- 全国からレベルの高い受験生が集結している
- 毎年試験形式や評価基準が見直されていると考えられる
- 実情や詳細がなかなか明らかにされない
- それゆえに対策が非常に難しい
慶應SFC AO入試の合格倍率(2018年より過去6年間の推移)
慶應義塾大学が発表している情報によると、SFC(総合政策学部・環境情報学部)のAO入試合格倍率は過去5年間でこのように推移しています。
慶應SFCのAO入試は日本でも最難関レベルとも言われており、倍率が10倍を超えることもありました。
最近はAO入試の回数が変わり、倍率は4倍〜5倍程度です。
しかし入試形態や回数、人数などに毎年ばらつきがあるので毎年同じ方法で倍率を計算するのは困難です。
2020年9月入学AO入試では40.8倍、2020年秋AO(2021年9月入学)では24.5倍と、志願者数が極端に少ない場合は倍率が非常に高くなる傾向にあります。
そのような場合があることも踏まえても、SFCのAO入試の平均倍率は約9.8倍という結果に。
これより以下のことが言えると思います。
- 慶應SFCのAO入試は人気である
- そのうえ、受験生のレベルが非常に高い
- さらに、試験レベルの高さも半端じゃないので合格倍率も高い
あなたの努力は無駄だったのか – SFC AO入試を受ける価値
ところで、筆者の私も2018年度AO入試を受験して総合政策学部に入学しました。
SFCに絶対入学したい!という気持ちがあっても自分の将来なんか想像もできなかったり、一般入試対策や学校の勉強に追われたり、先生から厳しい言葉をかけられたり、やっぱり自分なんかぜんぜんすごくないんじゃないかと自信を無くしたり。
でもね、聞いてください。
SFCを無事卒業したいま、私から皆さんに確実に言えることがあります。
それは、受験の時点からあなたのSFC体験は始まっているということです。
受験生は入試形態問わずSFCのれっきとした0年生。
どんな結果であれ、あなたが貴重な青春時代を捧げてひとつの目標に向かって努力したこと、何度も泣いたり落ち込んだりしたこと、それでも再び立ち上がって堂々と受験したこと。
そのプロセス(過程)にこそ本当の価値があります。
だから、自分の今までの努力が無駄だったのかなんて思わないでください。そんなことを考えてしまったら頑張ってきたあなたがかわいそうです。
もう一つ大事なことがあります。
もしあなたが本当にSFCを諦められず、一般入試や来年度以降のAO入試にチャレンジすると決めたなら、あなたはAO入試を受験しなかった受験生に比べて非常に大きなアドバンテージを持っているのです。
これについては後で詳しく解説します。
これからあなたはどうするべきか
さて、10月も終わりに差し掛かった今、あなたには以下のような選択肢があるんじゃないかと思います。
- 他大学・他学部のAO入試、推薦入試などを受験する
- 他大学・他学部の一般入試に向けて勉強する
- 次回以降のSFC AO入試の準備を始める
- SFCの一般入試に向けて対策に本腰を入れる
ここから先は、特に③と④の「もう一度SFCにチャレンジしたい」というみなさんに向けて書きます。
私は、現役SFC生の中でもAO入試で一発合格した受験生はあまり多くないと思います。
周囲の知人に話を聞いても、AO入試で落ちてしまったあと一般入試で合格したり、別の時期のAO入試で合格したり、浪人したりと2回以上の受験で合格を勝ち取ったSFC生がいっぱいいます。
中にはAO入試と一般入試合わせて6回目の受験で合格した、なんて先輩もいました。
AO入試を受けた人だけが持つアドバンテージ
私が小論文のトリセツで数多くのSFC受験生にお会いする中で、過去にAO入試を受験したけれどこれから一般入試対策を始めたい、もしくは来年度以降のAO入試対策をしたいという方はこのようなお悩みを抱えていることが多いです。
1学期、夏休み、そして今までずっとAO入試の対策を優先してきました。
一般入試の対策まで手が回らなかったけど、それでもまだ間に合いますか?
このようなお悩みに対し、私はいつもこう回答しています。
11月から一般入試対策を始めるなら、頭を切り替えて急ピッチで進める必要があります。
でも、AO入試対策の経験は一般入試受験において無駄どころか、他の受験生と大いに差をつけられるアドバンテージです。
これは一体どういうことでしょうか。以下、詳しく見ていきましょう。
アドバンテージ1:SFCに関する知識量が圧倒的に多い
SFCの小論文では、慶應SFCがどのような理念や思想のもとに発展を続けてきたのかを踏まえ、この環境を生かしてあなたが入学後何をしたいのかということが問われます。
例えば環境情報学部2017年度の問題では、研究会(ゼミ)のシラバスを読み、あなたがどの研究会に入ってどんな研究をしたいかがそのまま問われています。
環境情報学部2019年度の問題でも湘南藤沢キャンパス周囲の様子を観察し、問題と解決方法を述べる必要があります。
AO入試受験生は、SFCを知るために本を読んだり、キャンパスを訪れたり、研究会や授業について調べたりと他の多くの一般入試受験生より圧倒的にSFCを知っている。
これが、AO入試経験者が一般入試を受験する上での大きなアドバンテージです。
アドバンテージ2: SFCが第一志望である
こちらの記事ではSFC一般入試の倍率がなぜ慶應の中で最高なのか?を解説しています。
おさらいすると、その理由としては
- 人気の学部なので志望している受験生が多い
- 他学部、他大学のすべり止め受験生が多い(=レベルの高いライバルが多い)
- 記念受験組がいる など
が考えられるんでしたよね。
しかしよく考えると、②と③に該当する受験生は、AO入試経験者と比較してそこまでSFC志望度は高くないと言えるんじゃないでしょうか。
上記の記事でも解説しているように、SFCの一般入試は慶應の中でも合格しやすい、2科目だからラクなどというように誤解されてしまっています。
これより、他大学や他学部の対策と並行して(もしくはその片手間で)SFC対策をしている受験生より、SFCを第一志望としているAO入試経験者のほうが圧倒的に有利なのは言うまでもないです。
アドバンテージ3:度胸や自信、言語化能力に圧倒的な差がある
AO入試を受験したあなたは、数ヶ月もの間に渡ってひたすら「自分自身」と向き合ってきたと思います。
自分は何がしたいのか、自分とはどんな人間なのか、なぜ自分はSFCに行きたいのか・・・。
そしてそれらを2000字の文章に自分の力でまとめ上げ、提出した。
それは非常に立派なことです。大人だってなかなかそう簡単にできることじゃありません。
SFCの外に目を向けると、「この大学が有名だから」「東京の大学がよかったから」「偏差値的にこの学部なら受かりそうだったから」という理由だけで志望大学を決めている人が多いことに衝撃を受けるでしょう。
ペーパーテストだけでも受験や就職ができる日本において、10代のうちに自分と徹底的に向き合い、自己を客観視し、それを言語化したという経験はそれだけでとても貴重なことです。この点で、AO入試経験者は他の受験生よりも圧倒的な差をつけることに既に成功しています。
改めてあなたはどうするべきか
ここまで読んでくださったみなさんなら、私が言いたいことがわかってくれていると思います。
もしあなたが本当にSFCに行きたいのなら、ここから何度でも再チャレンジしてください。
AO入試の経験は無駄どころか、あなたの人生の中で誇りに思うべき宝物なのですから。
それは具体的に、今後どのような対策をすれば良いでしょうか。
慶應SFCの過去問を解き、小論文の添削を受ける
端的に申し上げますと、今すぐSFCの過去問を解き、SFC入試に精通している人から添削を受け、自分の現状と求められているレベルとのギャップを把握してください。
すべてはそこからです。詳しくはこちらの記事にまとめてあるので読んでください。
ここでのポイントは、11月から約3ヶ月という短期間で合格したいのであれば、無駄と回り道を徹底的になくす必要があるということです。
これはどういうことなのか。すなわちSFC入試を研究し、SFCの内部事情に精通している者(すなわち現役SFC生や卒業生)と共に対策をし、客観的かつレベルの高いフィードバックをもらうことが必須ということなんです。
本ウェブサイトではSFCのほぼ全ての過去問解説を網羅していますので、勉強の際には是非とも役立ててください。
さらに私たち小論文のトリセツは、今あなたがご覧になっているようにSFC受験生向けの記事や過去問解説記事 を掲載しているだけでなく現役SFC生による小論文添削サービスや1対1の対策コースも開講しています。
そしてサービスはすべてオンライン上で、また他塾と比較して破格のお値段でご提供しているのが特徴です。
さいごに:どうか諦めないでほしい
改めてAO入試受験生のみなさん、ここまで本当にお疲れ様でした。
私個人としては、今回の受験経験を将来の糧として生かし、ぜひとも諦めずにSFCを目指して再出発してほしいと願っています。
もし他の選択をしたとしても、あなたのこれまでの頑張りはのちの人生においてかけがえのない宝物になること間違いなしです。
みなさんの残りの受験生生活が、そしてその先の大学生活や人生が素晴らしいものになりますように!小論文のトリセツは、これからもみなさんを応援しています。